インタツアーは、23・24卒学生を対象とした「内定承諾・辞退の決定要因調査」の結果を発表した。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査母数:1万2746名(文系学生1万1550名、理系学生1196名)
- 回答数:676名(23卒103名、24卒573名)
- 調査方法:「インタツアー」マイページまたはSNS経由によるWebアンケート
- 調査期間:2023年1月16日~1月23日
調査の結果については、同社は以下のように述べている。
選考や内定を辞退したことが「ある」学生、23卒は75.7%、24卒でも28.1%に上る
Q1では内定を辞退した経験について聞いた。「ある」と回答した学生は全体で35.3%だったが、23卒生では75.7%に上り、24卒生でも28.1%が内定辞退の経験があった。23卒生はすでに就活をすべて終えているシーズンにあたり、4人に3人は内定辞退の経験があることになる。
また、24卒生は一般に就活がこれから始まる(とされている)時期に当たるが、すでに3割近くが内定辞退の経験があるため、3年生1月の時点でかなり選考が進んでいることが分かる。
志望企業を決める要因で最も重視されているのは「業種・職種」
Q2~4では就活の際に何を重視して志望企業を決めているかについて聞いた。複数回答でも、最も重視している項目でも「業種・職種」が最も多く、「勤務条件(年収・福利厚生・ワークライフバランス/働き方・勤務地など)」「社風(社員の人柄・会社の雰囲気・価値観など)」が続いた。
その他自由回答では「勤務地や転勤」「成長環境」「会社の雰囲気」「価値観との一致」を挙げる回答が多く見られた。学生の職業観がジョブ型や転職を意識したキャリア形成を重視する傾向になっているといわれているが、回答からもこの傾向が見て取れる。
選考参加や内定承諾の決定要因は「自分の希望と合っている」が知名度を上回る
Q5~6では内定を辞退した経験がない学生に、選考参加や内定の承諾を決めたポイントについて聞いた。選択式の回答では「自分の希望と合っている企業だと感じたから」46.5%が最多で、「もともと、この企業に入りたいと思っていたから」24.3%が続く。自分の希望条件(勤務地や職種など)の占めるウェイトが大きく、企業のネームバリューや規模などよりも重視されている傾向がうかがえる。
一方で、自由回答では「人柄、雰囲気」と回答した学生も多く、社風とのカルチャーフィットもある程度の決定要因になっていることが分かる。
選考・内定の辞退は「選考早期に社風が合わない」「より志望度の高い企業の内定を得て辞退」の2パターン
Q7~8では内定や選考を辞退した経験がある学生に、辞退理由とタイミングについて聞いた。内定を辞退した理由として最も多かったのが「他の企業の内定が決まった」32.5%で、「社風が合わない」27.4%が続いた。
また、内定や選考を辞退したタイミングでは、「内定後」32.1%が最多となったほか、「1次面接後」24.9%、「エントリー後」23.6%と回答した学生もそれぞれ4分の1近くいた。
この2つを合わせて考えると、エントリーから1次面接の間のコミュニケーションで社風が自分と合うかカルチャーフィットを見て、合わない場合に辞退するケースと、内定後に志望度の高い他の企業から内定を得て辞退するケースの2パターンが多いと考えられる。
選考や内定を辞退する決定要因「面接官の印象が悪い」
Q9~10では選考や内定を辞退する要因について聞いた。決定要因が「ある」と回答した学生は59.7%と6割近くに達し、その要因で大多数を占めたものは「面接官の印象が悪い」55.8%だった。
前述のQ7で辞退した経験がある学生に聞いた設問では「採用担当者などの対応の悪さ・コミュニケーションの取りづらさがあったから」は3.0%と主要因となっていないことと矛盾するように見えるが、これは「面接官の印象の悪さ」が辞退の決定要因として大きいものの、表向きの辞退理由は「他の企業に決まった」「社風が合わない」に含まれてしまうと推測できる。選考中の面接官の印象や採用担当の対応が悪い印象を与えた場合には、その他の条件が合致していても、辞退を誘発していることが分かる。
なお、同調査の結果データは、同社のWebサイトからダウンロードできる。
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