iCAREは、企業の健康管理を担当する人事部門・専門職(産業保健師など)を対象に「コロナ前後の働き方と健康管理の意識調査」を実施した。
アフターコロナはオフィス回帰の傾向
コロナ前後における従業員の勤務形態を質問した。コロナ禍は「ハイブリッド(オフィス・テレワーク両方)」、アフターコロナは「オフィスワーク」が最多となった。コロナ前からアフターコロナにかけてテレワークが減り、オフィス回帰の動きが広がっていることが分かる。

オフィスワーク企業の約6割が自社の働き方を「評価しない」
自社の現行の働き方(オフィス出社状況やフレックス勤務・時差勤務などの勤務制度の導入状況)に対する健康管理の面からの評価を問う設問では、オフィス優先型(固定型・オフィス回帰型)の約6割が「評価しない」「改善の余地あり」と回答した。回答者の属性別に見ると、現場に近い健康管理部門の担当者(人事労務、産業保健看護職)の「評価しない」「改善の余地がある」と回答する割合が高い。また、「評価しない」理由としては、従業員の健康課題や健康管理業務の観点からの記述が多く、部門管理者も含めた共通の回答として「効果分析ができていない」「評価の方法が分からない」という回答が見られた。

部門担当者が現行の勤務形態を評価しない理由で寄せられたコメントは次のとおり。
- オフィス優先(固定・回帰)型
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- 在宅ワークや時差出勤などの支援がなく、多様な働き方の選択肢が少ない。(官公庁・教育 / 1000名以上)
- 交代勤務の従業員は生活が不規則となり肥満やメタボ、生活習慣病にかかるリスクが高まるので別の勤務形態に変更するほうが望ましい(製造 / 1000名以上)
- 多様な働き方の導入ができていない(小売 / 300~999名)
- メンタル部分について離職につながることがある(製造 / 1000名以上)
- テレワーク・ハイブリッド優先(固定・移行)型
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- 長時間労働が改善されない(製造 / 300~999名)
- アフターコロナで根拠もなくテレワークの回数を減らしたことでメンタルヘルス不調の原因にそれをあげる社員が増えた(建設・土木 / 1000名以上)
- 在宅ワークを楽するためのように捉える思考がある。エンゲージメント、ワークライフバランスなど向上し生産性を高めてもらうという視点がない(製造 / 100~299名)
- 運動不足・コミュニケーション不足(その他 / 100~299名)
アフターコロナの健康課題は「メンタルヘルス・ストレス」が最多
アフターコロナの従業員の健康課題について聞いたところ、すべての勤務形態で「メンタルヘルス・ストレス」課題の選択率が最も多かった。勤務形態別に見ると、オフィスワークでは「生活習慣病リスク」、ハイブリッドでは「メンタルヘルス」、テレワークでは「長時間労働」の回答割合が高く、いずれも従業員規模に比例して選択率が高い。勤務形態間のギャップが最も大きいのは「生活習慣病リスク」で45.3ポイント差、次に「長時間労働」で28ポイント差となった。

健康施策の注力度はハイブリッド型の企業が高い
コロナ前後の各期間で実施した健康施策は、「オンラインコミュニケーションツールの導入」「勤務制度・休暇制度の変更または新設」「在宅勤務時の手当支給」が大幅に増加している。アフターコロナでは、「従業員向け研修プログラム提供」「管理職向けの研修プログラム提供」の割合が増加傾向にあることが分かる。

また、健康施策の注力度合いはハイブリッド型の企業が高く、平均で16.2ポイントの差があることが分かった。とくに差が大きい施策は「オンラインコミュニケーションツールの導入」「手当の支給」「勤務制度の変更」となっている。

なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査時期: 2023年7月18日~28日
- 調査対象:従業員規模50名~1万名以上の一般企業の人事労務部門
- 調査実施機関:株式会社iCARE
- サンプル数:179名(経営層・部門責任者、部門担当者、産業看護職・専門職)
- 調査方法:インターネットによるアンケート調査
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