パーソル総合研究所は、「第三回 副業の実態・意識に関する定量調査」の結果を発表した。副業に関する調査は2018年、2021年の実施に続き今回が3回目となる。
企業の副業容認率は6割以上になり21年よりも上昇
企業の副業容認率は60.9%で、21年調査より5.9ポイント上昇した。
副業容認率が最も高い業種は「宿泊業、飲食サービス業」(78.4%)で、21年調査から11.8ポイント上昇した。また、前回からの上昇幅が最も大きい業種は「金融業、保険業」で、21.3ポイントの上昇となった。その他、従業員数1000人以上の企業における上昇幅も目立つ。
副業容認理由として、「個人の自由なので」(58.4%)が最も高く、21年調査から4.5ポイント上昇した。全般的にスコアが上昇しており、とくに「従業員のモチベーション向上」「優秀な人材の確保・定着」などの理由が前回から上昇している。
企業の副業受け入れ率は21年から変動なし
企業の副業受け入れ率は24.4%で、21年調査から変動していない。副業容認率とのギャップが目立つ結果になった。
副業受け入れ率が最も高い業種は「医療、介護、福祉」(45.4%)。続く「宿泊業、飲食サービス業」(39.2%)が21年調査より9.7ポイント上昇した。
副業受け入れ理由として、「迅速に人材確保が可能だから」(25.4%)が最も高く、次いで「多様な人材確保が可能だから」(21.3%)、「高度なスキルをもった人材確保が可能だから」(18.3%)が続く。
正社員の副業実施率は2.1ポイント減少
正社員の副業実施率は7.0%となり、21年調査より2.1ポイント減少した。
性別では女性、年代では20~30代での副業実施率がやや高い傾向が見られた。また、職位別では「部長・本部長相当」の実施率が高い。業種別では、企業の副業容認率の上昇幅が大きい「金融業、保険業」の副業実施率が最も低かった。
副業動機は、21年調査に引き続き、「副収入を得たいから」「現在の仕事での将来的な収入に不安があるから」「生活するには本業の収入だけでは不十分だから」が上位を占める。
正社員の副業意向率は40.8%で、21年調査と同水準であった。副業実施率とのギャップは大きいことが分かる。
本業先からの働きかけは組織コミットメントや学びを高める
本業先からの「副業前」の働きかけは、「本業先への組織コミットメント」を高める。また、「副業中」の働きかけは、「(副業実施者の)副業からの学び」を高める。そして、「副業後」の働きかけは、 「(本業先メンバーの)副業者からの学び」を高めることが分かった。
なお、調査の概要は次図のとおり。
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