前編では、管理職の心理的安全性が重要な理由と「セルフ・アウェアネス」を高める方法を解説しています。
管理職に必須の資質「レジリエンス」とは
レジリエンスとは、物体に圧力がかかった状態から元へ戻ろうとする力のことです。ビジネスやスポーツの世界では、困難な状況に直面しても心が折れることなく、しなやかに回復して乗り越える力のことをいいます。
日々、さまざまなプレッシャーやストレスと対峙し、自らの心理的安全性が脅かされている管理職にとって、レジリエンスは必須の資質です。人事のみなさまもレジリエンスについての理解を深め、現場の管理職がレジリエンスを高められるように支援しましょう。
次に、管理職がレジリエンスを高めるための3つの秘訣をご紹介します。
秘訣その1: 完璧主義から脱却する
責任感や向上心が強い完璧主義の管理職ほど、自分自身で困難の度合いを高めてしまいがちです。完璧主義者は一切の妥協を許さず、自分基準で品質を追求し、人に任せず自分で責任を抱え込み、常にオーダーメイドにこだわります。仕事相手は満足するかもしれませんが、管理職自身は困難を乗り越えることはできず、心理的安全性が低下します。
レジリエンスを高めるには、完璧主義から脱却して、完了主義で考えることが重要なのです。
完了主義者は、常に相手基準で、相手の期待を満たせる合格点を取れれば、自分基準の満点は取れなくてもよいと考えます。外せない要点は押さえたうえで部下と責任を分担し、他でうまくいった知恵を転用するなど物事を効率的に進めるのです。
完了主義の考えを取り入れて仕事をうまく進め、自らにかかるプレッシャーをコントロールしていきましょう。それが、レジリエンスを高めることにつながります。