キャリタスは、全国の主要企業を対象に25卒採用に関して、これまでの採用活動状況を調査した。
25卒は「待遇や働き方へのこだわりが増加」と感じている
今年の就活生に対して、「就業意識の低い学生が増えた」と感じる企業は計35.7%で、「そう思わない」は計31.6%と、見方が割れている。「企業理解不足の学生が増えた」「仕事内容への理解不足の学生が増えた」と感じる企業はそれぞれ4割で、「そう思わない」を上回った。また、「待遇や働き方にこだわる学生が増えた」については、7割を超える企業が「そう思う」と回答した。
7月時点で選考終了した企業は2割、年々減少傾向
調査時点で採用選考を「終了した」と回答した企業は全体の21.1%で、前年の22.0%、前々年の25.6%を下回った。面接や内定出しのタイミングは前倒しで進んだものの、内定者を確保できず採用活動を継続している企業の割合は年々増加している。
充足率の平均は54.0%と、従業員規模が大きいほど充足率は上がり、大手企業では6割を超えるが、中小企業では4割となった。業界別では「金融」が67.4%と高く、「サービス業」の48.7%と20ポイント近く差が開いた。なお、採用継続企業(全体の78.9%)に今後の充足の見込みを聞いたところ、「充足できる見込みがある」は19.2%、「充足は難しい」は57.3%となった。
内定辞退者数は、大手企業でも明暗が分かれた
内定辞退者については、「増えた」が26.2%で、「減った」は21.9%となった。選考解禁から約1ヵ月後の途中経過ではあるものの、思うように内定承諾を得られない企業が少なくないことがうかがえる。従業員規模が大きいほど「増えた」の割合が高いものの、「減った」の割合も高まり、大手企業の中でも明暗が分かれたようだ。業種別に見ると、金融で「減った」が4割近くに上り、内定辞退が減ったことも充足率の高さに影響していると同社は述べている。
新卒採用市場の見方「売り手市場だと思う」が9割
今期の採用市場についての考えを聞いたところ、「完全に売り手市場だと思う」という回答が前年調査の70.2%から増加し、77.2%となった。「やや売り手市場だと思う」を合わせると、売り手市場との見方が95.7%に上る。コロナ禍により市場観は大きく変化したが、年々回復し、コロナ禍前の19卒と同水準を示した。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:全国の主要企業1万6536社
- 調査時期:2024年6月26日~7月4日
- 調査方法:インターネット調査法
- 回答社数:1063社
- 調査機関:キャリタスリサーチ
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