ワークス・ジャパンと産経新聞社は、26年卒予定の大学生・大学院生を対象に、就職希望先調査を実施した。
就職人気企業ランキング結果/文系総合
文系総合ランキングの結果は次図のとおり。
文系総合では昨年までと比べ、 上位にランクインする業界が多様化
文系総合ランキングでは、「伊藤忠商事」が昨年に引き続き1位。本年度で4年連続の首位獲得となった。また、同じく総合商社の「三菱商事」が、昨年から順位を1つ上げ2位に。
2社のインターンシップで共通していたのが、さまざまな社員と交流できるワークショップ型のプログラムを実施していたことだという。具体的な業務内容から失敗談までありのままを伝えることで、キャリアイメージの創出を促すことが、学生から支持を集める結果となったと同社は述べる。
個社志向が明確化、インターンシップとコミュニケーションが鍵に
昨年はトップ10のうち7社が商社・金融業界だったが、今年のランキングでは商社、メーカー、金融、保険、コンサル、航空、不動産と多岐にわたる業界がランクインしており、業界志向よりも個社志向が高まっていることが分かる。
3位にランクインした「損害保険ジャパン」は、全国各地で業務体感型のワークショップや自己分析ワーク、面接対策講座など、学生に寄り添ったきめ細やかなワークショップを実施し、昨年の19位から大きく順位を伸ばした。
また、食品・飲料業界からは「サントリーホールディングス」が5位、「味の素」が6位と、昨年から順位を上げている。サントリーホールディングスは、ビジネスを現場で学べる採用直結型のインターンシップを開催。味の素でも、ビジネスの実例を扱ったケーススタディを実施し、身近な製品からでは見えづらい仕事のリアルを訴求していたという。
就職人気企業ランキング結果/理系総合
理系総合ランキングの結果は次図のとおり。
ソニーグループが昨年同様首位、パナソニックグループの順位を伸ばす結果に
理系総合ランキングでは、10位以内にランクインしている企業は大きく変動せず「ソニーグループ」が昨年に引き続き1位となった。2〜4週間業務に携わる密着型インターンシッププログラムや、長期有給インターン、ハッカソンといった選考、興味のある製品や技術テーマからコース選択が可能であるなど、学生に合わせたインターンシップの開催が人気を集めたという。
「パナソニックグループ」は、昨年より3つ順位を上げ2位にランクイン。千人規模のインターンシップを開催しており、550を超えるテーマから自身に合った事業・職種を選べるため、学生から人気を集めているという。対面だけでなくオンラインでのワークショップも引き続き行っており、学生が企業と接点を持ちやすい環境を整えている点が票を伸ばしたと考えられると同社は述べる。
学生の専攻や志向に合わせた採用活動を行っている企業に人気が集まる
「トヨタ自動車」は昨年から3位をキープ。自動車業界が100年に一度の大変革期にある今、ソフトウェア・IT人材の需要増に対応した、多種多様なプログラムを展開しているという。
学生からの注目度の高さがうかがえたのが、技術の進展がめざましいITソフトウェア業界。「日立製作所」が4位、「NTTデータグループ」が6位、「富士通」が9位という結果になった。いずれの企業もジョブ型採用の導入や、多種多様なインターンシップの開催など学生の専攻や志向に合わせた採用を展開している。
また、7位の「伊藤忠商事」と、10位の「味の素」は、文系だけでなく理系学生からの支持も厚く、味の素では、研究テーマの立案を行うR&Dワークショップを実施。多くの技術系社員との交流を通じて、自身が企業で活躍するイメージを詳細に描けるインターンシップを開催していたという。
なお、調査の概要は次のとおり。
2026年卒大学生就職人気企業ランキング 調査概要
- 調査対象:2026年3月卒業見込みの全国大学3年生、大学院1年生 ※調査開始時点
- 調査期間:2024年4月8日~11月30日
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調査方法:
- 就職対策サイト「キャンパスキャリア」およびワークス・ジャパン主催の各種イベントでアンケート告知を行い、Web上のアンケートフォームで回収
- 就職を希望する企業ランキングは第1志望から第5志望までの選択方式で、第1志望には5ポイント、第2志望には4ポイント、第3志望には3ポイント、第4志望には2ポイント、第5志望には1ポイントを配分して集計
- 有効回答数:2万2560票
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