新卒新人の「成長サイクルの回り方」にはいろんなパターンがある
新卒入社の新人たちは、どうしてもひとかたまりで扱われがちです。しかし、実際は1人ひとりまったく違います。新卒新人のオンボーディングは、1人ひとりがまったく違うことを意識することが大事です。
次図は、ある企業の新卒新人4名の、ある時点での状態を可視化したものです。周囲からの評価と本人のメンタリティの組み合わせが異なる4人を集めました。この4人は成長サイクルの回り方もそれぞれ違います。

それぞれの【結果指標】を見てみると、Aさんは、周囲からの評価は5点満点中[1]の2、本人のメンタリティも5段階中の最下位の「窮々」とどちらも低い状態にあります。Aさんは【心身面の健全さ】も数値が低く機能しておらず、成長実感を持てていません。反対にDさんは、周囲からの評価は5、メンタリティも「充実」、成長実感も4とすべてほぼ満点です。
注
[1]: メンタリティの5段階:1.窮々、2.悶々、3.淡々、4.懸命、5.充実
この2人は分かりやすいパターンといえます。しかし、そのようなパターンの人が決して多いわけではありません。
Bさんは、周囲からの評価は5と高いけれど、本人の精神状態は「窮々」とかなり厳しい状態です。Bさんは、自分では、自分らしさを発揮できていない、周囲の期待に応えられていないと思っているのですが、周囲からは十分に活躍していると評価されています。本人と周囲の評価にギャップがあるわけです。
Cさんは逆で、本人は「充実」しているけれど、周囲の評価は1と低い状態にあります。とはいえ、Cさんも周囲の期待にあまり応えられていないことは分かっています。ただ、自分らしさを発揮できていて、学びがあるから、本人としては満足しているわけです。
実際には、このBさんやCさんのような複雑なパターンの人が多くいます。それはある意味当然です。新卒新人の「成長サイクルの回り方」にはいろんなパターンがあるのです。しかも、新卒新人の場合、メンタリティや成長実感は、時間が経つにつれて大きく変わっていきます。だからこそ、新卒新人のオンボーディングは簡単ではないのです。