1つでも欠けたらNG!正しい人事データの「5つの要素」とは
——正しい人事データとは、どのようなデータでしょうか。
「正確性」「網羅性」「一貫性」「最新性」「適法性」という5つの要素を備えているデータのことです。これらはすべて重要で、1つでも欠けてしまうと、現場での活用は困難になります。
——なるほど。5つの要素について詳しく教えてください。
正確性とは誤りのない情報。たとえば、私の名字「冨永」は「富永」とよく間違えられますが、そういったミスなく「冨永」と登録されていることが重要です。
また、網羅性とは、情報の過不足がない状態のことです。
一貫性とは、統一されたフォーマットで情報が管理されていること。フリガナの有無や住所の書き方など、労務データでも評価データでも同じ形式で登録されている必要があります。
さらに、異動や扶養の有無などの情報がリアルタイムで分かる最新性も重要です。
最後の適法性は、労基法に基づいて勤務時間や給与などが管理されているか、といった法律に従った情報です。

多くの企業の人事データは、この5つの要素がそろっていないがゆえに、組織の状態やその原因が分からないまま間違った人事施策を打ったり、データの集約作業に余計な手間がかかっていたりするのです。
時間や手間のかかる状態を当たり前だと思っていないか?
——なぜ5つの要素がそろっていないのでしょうか。
データが1ヵ所に集約されていないことが、大きな要因です。
多くの企業が、勤怠やエンゲージメントサーベイ、人事評価など業務ごとにシステムを導入しています。当社の調べでは、企業は平均5つの人事システムを利用していることが分かりました。そして、それぞれのシステムにデータがバラバラに存在しています。
そして、データが分散している状態を“当たり前”だと感じているため、不便だとはなかなか気づかないのです。

——たしかに。バラバラに存在するデータを、時間や手間をかけることでなんとか対応してきた企業は多そうです。
約1000人規模までの組織であれば、従業員の情報・状況が頭に入っている「スーパー人事本部長」がいて、その人の脳内で分析・判断できていたケースも多いですね。
しかし、先述のとおり、個人の生活やキャリアの目的は多様化しています。また企業の規模が大きくなれば、「課長職の女性比率」「産休・育休中の社員数」といった正確な数値までは覚えていられないでしょう。
このことからも、従業員の情報を的確に把握したうえで横断的に分析し、企業の戦略に活かすためには、まず正しい人事データをそろえることが必須なのです。
——では、5つの要素をそろえるためには、どのようにデータを管理すればよいのでしょうか。
1つのプラットフォームでデータを管理することでしょう。
正確性と適法性は情報を登録する際に気を付ける必要がありますが、残りの3つは、1つのプラットフォームで管理していれば自然と満たせる要素です。1つのプラットフォームで管理することで、「このシステムではAの表記だけれど、別のシステムではBの表記」といったデータのばらつきがなくなります。
jinjerが提供するクラウド型人事労務システム「ジンジャー」は、統合型人事データベースを備えています。これにより、5つの要素を網羅した正しい人事データを蓄積することが可能です。