確実な運用のために有効な手段
今回は、個人のコンディションの「何を」「どう」捉えるかについて整理してきました。人事の実務上、すべてを精密に観測する必要はなく、小さく、確実に運用できる仕組みを持つことが最初の一歩となります。
その一歩として有効なのが、心理・行動・対話の観点から1つずつ手段を選ぶ「最小セット」です。
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- 心理:パルスサーベイ(少数設問・高頻度)
- → 従業員の主観的な変化をいち早く捉える
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- 行動:勤怠および休暇からの稼働傾向分析
- → 客観的な「揺れ」を察知し、主観とのズレを補う
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- 対話:1on1(月1回程度)
- → 背景を捉え、打ち手につなげる
ポイントは、測定すること自体を目的化しないことです。可視化によって気づき、対話し、支援するというサイクルを回すことで、必要最小限のコンディションをしっかりと把握できます。
次回は、この3つのうち「心理」、つまりパルスサーベイを掘り下げます。どのような設問設計・頻度・活用方法が現場で効果的なのか、具体的な実装について解説します。

