この調査は、2017年3月末に、全国の有職者(雇用形態を問わず)、15〜69歳の男女1万人を対象に、インターネットを通じて行われた。
組織のパフォーマンスに対して、成長している「実感」は「志向」の3倍影響を与える
調査では、修行者が仕事を通じた成長を「重要だと思うか」=「志向」、「実感しているか」=「実感」について調査したところ、就業者全体の78.2%が成長を重要だと思ってた。その一方で、実際に成長を実感している人は49.4%にとどまり、志向と実感にかい離がある。
さらに、重回帰分析を用いて働く人の成長に対する「志向」と「実感」について、仕事への影響を調査したところ、成長している「実感」は、成長を重要だと思う「志向」よりも、「仕事への意欲」や「就業満足度」「組織のパフォーマンス」といった業務を行う上で不可欠な要素に対し、ポジティブな影響を与えていることがわかった。中でも、組織における目標達成度合いを表す「組織のパフォーマンス」については、約3倍の差があるという。
また、成長の「実感」は、「(その会社で)働き続けたい気持ち」に対しての影響も大きく、「(他社へ)転職したい気持ち」に対するマイナスの作用をもたらし、リテンション(関係を維持する)を保つことにも効果があると推測している。
成長の「実感」を感じられる職種の1位はマーケティング職、営業関連職が上位に
成長の「実感」について、職種による差を調べたところ、成長の「実感」を最も感じている職種は「マーケティング」で、6割を超える(64.6%)。続いて「法人営業(ルートセールス)」がほぼ同じ64.5%、「海外営業」が64.0%であり、上位を営業関連の職が占めた。
一方、成長の「実感」が低かったのは、「サポートエンジニア」23.7%、「プログラマー」30.0%、「システムエンジニア(SE)/ネットワークエンジニア」45.1%などのIT関連職や、「生産管理」42.4%、「研究・開発・設計」46.8%などの技術職だった。
この結果についてパーソル総合研究所は、成長実感が得られる仕事について、「会社もしくは顧客にとっての重要性を感じやすい仕事であること(タスク重要性)」「さまざまな能力や経験(技能多様性)により、自分の判断で仕事を進められること(自律性)」「自分の仕事の成果を知ることができること(フィードバック)」を共通の特徴として挙げている。
本調査に関しては特設のWebサイトが設けられており、こちらから結果を見ることができる。