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【採用広報】戦略の立て方——選ばれる企業になるための発信設計 | 第10回

【採用広報】KPI設定と効果測定法—採用広報を「やりっぱなし」にしないために—

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 採用広報に取り組む企業が増える一方で、「結局、何をもって成功といえるのか分からない」という悩みもよく聞きます。「SNSのフォロワーは増えた」「記事のPVも伸びた」「noteがバズった」としても、その先にある「採用成果」や「組織への影響」まで見えている企業は、決して多くありません。採用広報は、どうしても“感覚”で語られやすい領域です。もちろん、「最近なんとなく応募が増えた気がする」「会社の認知度が上がった気がする」といった実感も大切です。ですが、採用広報を継続的な経営活動として機能させるためには、“測定”と“改善”が欠かせません。本稿では、採用広報を「やりっぱなし」にしないためのKPI設計と、効果測定・改善の考え方について整理します。

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採用広報KPIは「採用ファネル」で考える

 採用広報の効果測定でありがちな失敗は、「PV(ページビュー)至上主義」に陥ることです。ページビュー、フォロワー数、いいね数。もちろん、これらは認知を広げるうえでは重要な数字ですが、採用広報のゴールは“人気”ではありません。本当に重要なのは「採用成果につながっているか」です。

 そのためには、KPIを単発で見るのではなく、候補者の心の動きに寄り添った「採用ファネル」の流れで整理することが重要です。

[画像クリックで拡大表示]

①認知KPI:「知ってもらえているか」

 最初の段階は、企業の存在を知ってもらうことです。 代表的な指標としては、次のようなものがあります。

  • SNSインプレッション数(投稿が画面に表示された回数)
  • フォロワー数(継続的に自社の情報を受け取ってくれる人)
  • 採用ページPV(採用情報へのアクセス数)
  • 指名検索数(会社名やサービス名で直接検索された回数)
  • noteやブログの閲覧数(コンテンツごとのアクセス数)

 ここで重要なのは、「量」を増やすことだけでなく、「どのチャネルから認知されているか」を把握することです。たとえば、「X経由の流入が多い」「検索経由で採用サイトに来ている」など、求職者の認知経路をしっかり把握することで、次にどこに力を入れるべきか、どのチャネルに投資すべきかが見えてきます。

②興味・理解KPI:「ちゃんと理解されているか」

 認知された後に重要なのは、「企業理解が深まっているか」です。ここでは、表面的な数字よりも、候補者の“熱量”に近い、次のような指標を見ていきます。

  • 記事の平均滞在時間(文章がしっかり読まれているかの目安)
  • 動画の視聴完了率(最後までメッセージが届いているか)
  • 採用ページの回遊率(1回の訪問でどれだけ他のページも見てくれたか)
  • noteの保存数(後で見返したいと思われる情報の割合)
  • 説明会参加率(一歩踏み込んだ興味を持ってくれた割合)

 採用広報では、単に「見られたか」だけでなく、「ちゃんと読まれたか」「理解されたか」が重要です。特に、社員インタビューや制度紹介記事などは、PVだけではなく、滞在時間やスクロール率を見ることで、本当に心に届いているか、読まれているかが見えてきます。

③応募・選考KPI:「行動につながったか」

 認知や理解の先には、当然ながら「応募」という具体的な行動があります。ここでは、選考ステップにおける次の数値を見ていきます。

  • 応募数(全体の母集団)
  • カジュアル面談数(選考前の一歩手前の対話)
  • エントリー率(ページ訪問者のうち、応募に至った割合)
  • 面接化率(面談から選考へと進んだ割合)
  • 説明会からの応募率(イベントからの移行率)

 重要なのは、「どのコンテンツが応募に寄与したか」を把握することです。たとえば、応募フォームで「応募にあたり、何を見て応募しましたか?」という設問を入れるだけでも、採用広報の直接的な効果はかなり可視化できます。

④マッチングKPI:「合う人が来たか」

 採用広報で最も重要なのは、最終的に自社に“合う人”が採用できているかです。そのため、最終的には次のような中長期的な指標も見ていく必要があります。

  • 内定承諾率(他社と比較した上での納得感の証拠)
  • 入社後定着率(ミスマッチがどれだけ防げたかの指標)
  • 活躍評価(入社後に期待通りの力を発揮できているか)
  • カルチャーフィット評価(バリューや理念に共感できているか)
  • 紹介採用比率(社員が自社を誰かに薦めたいと思う割合)

 ここまで見て、初めて「採用広報が機能している」といえます。応募数だけを追いかけると、「応募はたくさん来るが、ミスマッチが増えて組織が疲弊する」という状態にもなりかねません。採用広報は、“数”だけではなく、“質”まで見て設計する必要があります。

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この記事の著者

小澤 美佳(コザワ ミカ)

2008年に株式会社リクルートに入社。中途・新卒採用領域の営業・マネージャーを経て、リクナビ副編集長として全国の大学でキャリア・就職支援の講演を多数実施。大手からベンチャーまで幅広い企業のHR支援に携わり、採用・定着・育成・インナーブランディングなどに精通。2019年にITベンチャーへ転職し、広報部署を立ち上げ、メディア露出やSNS活用を通じて採用強化に貢献。2023年、兼業で株式会社令和PRを設立し、経営戦略に寄り添うPR...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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