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【採用広報】戦略の立て方——選ばれる企業になるための発信設計 | 第10回

【採用広報】KPI設定と効果測定法—採用広報を「やりっぱなし」にしないために—

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まとめ:採用広報を「経営資産」にする

 採用広報の本当の価値は、単なる目の前の応募獲得ではありません。

  • 普段は見えにくい「企業文化」が、誰にでも伝わる形で言語化される
  • 自分の仕事を社外に語ることで、社員の誇りやエンゲージメントが高まる
  • ネット上に、24時間365日いつでも候補者を迎えてくれる発信資産が蓄積される
  • 発信を通じて、社会や未来の顧客との温かい接点が増える

 つまり採用広報は、一過性の“採用施策”であると同時に、企業の輪郭を築く“企業ブランディング”そのものです。

 採用広報で最も危険なのは、「なんとなく良かった」という感覚だけで終わらせてしまうこと。重要なのは、客観的に測定し、対話を通じて改善し、資産として1つひとつ積み上げることです。

 KPIを設定するのは、現場を管理・コントロールするためではありません。自社を訪れてくれる候補者にとって、「より良い採用体験」をつくるために存在しているのです。

 採用広報とは、企業がどんな人と出会いたいのかを丁寧に言語化し、社会との接点を設計し続ける活動です。その小さな積み重ねこそが、これからの企業の持続的な競争力になっていきます。

最後に:採用広報に取り組む皆さまへ

 市場の変化から始まり、自社ならではの価値の言語化、文化づくり、制度設計、コンテンツ発信、そして今回の効果測定まで、全10回にわたり採用広報の深層をお伝えしてきました。

 一貫して皆さまにお伝えしたかったのは、採用広報とは単なる「求職者を惹きつけるためのテクニック」ではなく、「自社という組織の本質を見つめ直す営み」そのものだということです。

 採用広報に、唯一絶対の正解はありません。SNSをやみくもに頑張ればうまくいくわけでも、きれいな採用サイトをつくり込めば終わりでもありません。

 大切なのは、

  • 「自分たちは、本当はどんな会社なのか」
  • 「どんな仲間と未来をつくりたいのか」
  • 「社会に対して、どんな独自の価値を届けたいのか」

を組織全体で問い続け、それを偽りのない等身大の言葉にし、届け続けることです。

 そして実は、採用広報のプロセスを通じて最も大きな変化を遂げるのは、外部の応募者だけではありません。

 発信を続ける中で、社員が自社の強みを再認識して誇らしく思うようになったり、経営陣が現場の尊さに気づき直したりして、組織の空気そのものが外側から内側へと変わっていく。採用広報とは、「人を集める活動」である前に、「自分たちの会社を深く知り直し、愛し直す活動」でもあるのです。

 もちろん、取り組む中で、すぐに成果が出ないこともあります。発信しても反応が少ない日もあるでしょう。社内を巻き込めず、1人で悩むこともあるかもしれません。「本当に意味があるのだろうか」と、不安になる瞬間が必ず訪れます。

 それでも、どうか信じて続けてほしいのです。なぜなら、採用広報は裏切らない“積み上がる活動”だからです。

 今日公開した1本の記事。1人の社員が言葉を紡いだインタビュー。現場の日常を切り取った1のSNS投稿。

 その泥臭くも誠実な小さな積み重ねが、半年後、1年後、社会のどこかでキャリアに悩む誰かの「この会社で、この人たちと働きたい」という深い共感へと変わっていきます。

 働くことへの価値観や、企業を選ぶ基準が大きく変わっている今だからこそ、自社のリアルな価値観や文化を、自分たちの言葉で真摯に伝えられる企業は、確実に強くなっていきます

 採用広報は、決して派手な特効薬ではありません。ですが、企業の未来を、そして働く人の人生を少しずつ、確実に変えていく確かな力があります。

 この連載が、皆さまにとって「自社らしい、誠実な採用広報」を考える一歩を踏み出すきっかけになれば幸いです。そして、皆さまの会社に、価値観を共有できる素敵な仲間が集まっていくことを、心から願っています。

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この記事の著者

小澤 美佳(コザワ ミカ)

2008年に株式会社リクルートに入社。中途・新卒採用領域の営業・マネージャーを経て、リクナビ副編集長として全国の大学でキャリア・就職支援の講演を多数実施。大手からベンチャーまで幅広い企業のHR支援に携わり、採用・定着・育成・インナーブランディングなどに精通。2019年にITベンチャーへ転職し、広報部署を立ち上げ、メディア露出やSNS活用を通じて採用強化に貢献。2023年、兼業で株式会社令和PRを設立し、経営戦略に寄り添うPR...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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