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インタビュー | アジャイル開発者の育成

フルスタックの開発スキルだけでなくソフトスキルも強く鍛え、未知の領域に飛び込めるエンジニアを3か月で育成するCode Chrysalis

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 「アジア唯一のフルスタックコーディングブートキャンプ」として2017年に開校した、Code Chrysalis(コードクリサリス)に注目が集まっている。その教育コースである「The Immersive Bootcamp」は、 12週間フルタイムのハードなカリキュラムで、シリコンバレーの開発流儀を身につけたソフトウェアエンジニアに育てるというものだ。本稿では、コードクリサリスの共同創設者兼CEOであるKani Munidasa氏と、同校の卒業生で現在はQUOINE株式会社で活躍中のソフトウェアエンジニア 有働龍太氏に、それぞれ話をうかがった。

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シリコンバレーと日本のギャップを超える人材を育てる

――コードクリサリスは、Kaniさんご自身が米国のブートキャンプ型スクールで学んだ経験をもとに、シリコンバレー流の開発を学べる学校として立ち上げたとうかがっています。こうした教育機関を作ろうと思い立った背景や狙いを聞かせてもらえますか。

Kani Munidasa氏(以下、Kani):私は3年前まで、米国サンフランシスコでテクノロジー系の企業に勤めていました。しかしエンジニアではないので、コードが書けなかった。ITの仕事をしているのに、“共通言語”を知らないのは大きなハンディです。このままでいいのかと2年間悩んだ末に一念発起して退職。地元サンフランシスコにある、ブートキャンプ型のコーディングスクール「HackReactor(ハックリアクター)」に入学しました。

 そこで3か月ほど学ぶうちに、最初は「コードが書けるようになりたい」という一心だったのが、この歳になっていろいろな新しいことを学ぶ体験そのものが、実に素晴らしい機会だと感じるようになり、自分でもそういう喜びを提供する側になりたいと思ったのです。

Kani Munidasa氏
Kani Munidasa(カニ・ムニダサ)氏
Code Chrysalis共同創設者 兼 CEO。
日本生まれ、スリランカ育ち。東京農工大で機械工学を修め、ロボティクスを専門とする。日本で就職し、それから米国に移ってEMC(現在はDell EMC)、Greenplum、Pivotal Labsのエクゼキューティブとして、業界のリーダーがソフトウェアを構築する方法を変え、顧客の成功を推進し、多くの地域における業界で事業を革新および中断する業務に従事した。米国で18年間務めた後、Pivotalを退職してHack Reactorに移り、教育への情熱を模索。2017年に米国サンフランシスコから東京へ居を移し、Code Chrysalisを共同設立した。

 最初はHackReactorに提案して、同校を日本に展開する案も考えました。しかし、これからの時代はソフトスキルがより重要になってくる一方、HackReactorはコーディングの技術が中心。そこでコーディングの周辺の多種多様なスキルも含んだ、より総合的なカリキュラムを提供できるスクールを自分で立ち上げようと決めたのです。

――その「ソフトスキル」について、もう少し具体的に教えてもらえますか。

Kani:この先エンジニアには、単にコードを書くだけでなく周囲の人々とのコミュニケーションや自律性、チームワークやリーダーシップといった幅広いスキルが求められてきます。そこで「ハードスキル=コーディングスキルのみ」に対して、プロジェクトに必要な周辺スキルをまとめて「ソフトスキル」と私たちは呼んでいます。

――きっかけや狙いはわかりましたが、それをなぜこの日本でやってみようと思ったのですか。

Kani:私は1990年代に日本で大学を卒業し、就職しました。当時、日本は半導体やロボティクスなど、さまざまな分野で世界の技術リーダー的存在でした。しかし、私がアメリカに渡った1999年以降、日本は急速にIT分野での存在感を失いつつありました。そこでせっかくエンジニアの育成ブートキャンプをやるなら、この日本でチャレンジしてみようと思ったのです。

 設立時にもう1つ考えたことがありました。シリコンバレーと日本の間には、時間にして3~4年のギャップがある。このギャップを埋められる人材を育てるのも、日本での重要な目的でした。

――シリコンバレーと日本のギャップというのは、具体的にどのようなことなのでしょう。

Kani:もっとも大きいのは、ソフトウェアに対する考え方の違いですね。日本の企業やマネジメントには、「ソフトウェアには、ビジネスや社会に未知のディスラプション(創造的・変革的な破壊)をもたらす可能性がある」という意識が希薄です。むしろ、注文通りの機能を確実に実装する方が大事だと考えている。

 だから多くのプロジェクトでは、いまだにアジャイルでなくウォーターフォール型の開発が行われているのです。ですが今の時代、1年もかけてパーフェクトに作りあげても、その頃には肝心のビジネスやマーケットが変化して、ソフトウェアとしてはズレたものになってしまう。こうしたソフトウェアに対するアプローチのギャップを埋める必要があると切実に感じています。これをコードクリサリスで埋めていきたい。

 誤解のないように言っておくと、日本にもすばらしいエンジニアは大勢います。なのに、世界で知られていない一番の原因は、英語という壁です。アメリカで最新の技術に関するドキュメントがリリースされても、多くの人は日本語の翻訳が出てからでないと読めないので、どうしても最新情報を取り込むのにタイムラグがある。

 また、せっかくグローバルのコミュニティがあっても英語がわからないから、発言しないし参加しない。コードクリサリスではコミュニケーションを英語に限定しているのですが、それはITの世界の標準語をマスターすることで、日本以外の人々と対等に情報交換できるようにするためです。

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この記事の著者

工藤 淳(オフィスローグ)(クドウ アツシ)

出版社や制作会社勤務の後、2003年にオフィスローグとして独立。もともと文系ながら、なぜか現在はICTビジネスライター/編集者として営業中。 得意分野はエンタープライズ系ソリューションの導入事例からタイアップなど広告系、書籍まで幅広く。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(IT人材ラボ ラボ長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾店の売り子、辞書専門編集プロダクションの編集者(兼MS Access担当)を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、資格学...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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