IT資格体系ぶらぶら探検記｜第2回

オラクルの認定資格制度「ORACLE MASTER」の資格体系を整理してみた

2016/07/08 14:00

Platinum資格

ORACLE MASTER Platinum資格は、最高度の技術力を持つOracle技術者であることを認定する資格です。最も特徴的といえるのが試験方式でしょう。Platinum試験は、実機を使った実技試験なのです。受験前には訓練も必要なようで、やり応えのある、Oracleエリートのための認定資格といえるでしょう。

ORACLE MASTER Platinum資格を取得すると、同時にグローバル資格「Oracle Database Administrator Certified Master」（以下、OCM）として認定されます。

なお、2015年11月15日現在、Oracle Database 12c対応のPlatinum試験は、11g対応Platinum資格保持者向けの移行試験だけが提供されています。Oracle Database 11g対応のPlatinum資格は、試験の合格のほかに、要履修コースから2コースを受講することが取得条件になっています。

ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c

資格名	ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c
試験	ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c 移行試験（試験番号：12COCMU）
取得条件	9i/10g/11gいずれかのORACLE MASTER Platinum Oracle Database資格を保有していること
サイト	ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c 移行試験開始のお知らせ

ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g

資格名	ORACLE MASTER Gold Oracle Database 11g
試験	Gold DBA11g（試験番号：1Z0-053）
取得条件	ORACLE MASTER Gold Oracle Database 11gあるいは12c資格を保有していること「[要履修コース](http://education.oracle.com/pls/web_prod-plq-dad/db_pages.getpage?page_id=244&p_org_id=70&lang=JA)（2コース）の受講
サイト	Oracle Database 11g 管理者

合格が必要な試験の概要

資格を取得するのに合格が必要な各試験の概要は次のとおりです。詳細やテストで問われる項目などの最新情報は、日本オラクルの「詳細ページ」でご確認ください。

Platinum資格試験は、先ほども述べたとおり、実機を使った実技試験です。Oracle Databaseのセットアップや指示された各種設定などを行いますが、障害などへの対応力も試されるようです。また、Linux OS上で作業を行いますので、コマンドやエディタをはじめとするLinuxを扱うスキルも必要です。

また、Bronze、Silver、Goldの資格試験は基本的に年中受験ができますが、Platinum資格試験は実技試験の準備があるため、試験を受けられる日や場所が決まっています。受験する場合、日本オラクルのWebサイトでいつ、どこで受けられるのかを早めに確認し、予約を入れてください。

ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 12c 移行試験（試験番号：1Z0-053）

試験時間: 1日間
出題数: －
合格ライン（変更される場合あり）: 非公開
出題形式: 実機を使用した実技試験。Oracle Database 12c Enterprise Edition Release 12.1.0.2.0に対応。
試験料: 128,520円（税別）

ORACLE MASTER Platinum Oracle Database 11g 実技試験（試験番号：1Z0-053）

試験時間: 2日間
出題数: －
合格ライン（変更される場合あり）: 非公開
出題形式: 実機を使用した実技試験
試験料: 257,040円（税別）

オラクルからのメッセージ～ Platinum認定を目指す人へ

日本オラクルの12c対応Platinum資格試験のページには、取得を目指す人に向けた実技試験で必要となるスキルが次のように書かれています。Platinum資格保持者にはこうあったほしいというメッセージのようにも見え、オラクルにおいてPlatinum資格保持者が特別な存在であることがわかります。

■Oracle Universityインストラクタからのアドバイス

最低3～4年のOracle技術者経験を有すること。5年以上の経験が望ましい。
「必要最低限のスキル」に記載されているすべてのスキルを必ず有すること。
正しい構文を確認するために、試験中にドキュメント（検索することはできない）を使用できる準備。
GUIによる設定方法を知っている場合でも、コマンドラインによる設定方法の検討とその準備。試験のすべての問題においてGUIが使用できるわけではない。
すべての試験内容トピックについて、特に普段使わないスキルに関して実機練習する時間をもつこと。
ハイレベルの概念的な要求に対して、その要求を遂行するために必要となる具体的なコマンドを実行できなければならない。試験合格のためには、特に長年の経験と実機練習が極めて重要である。

■必要最低限のスキル

3～4年のOracle Database技術者としての経験。
バックアップ、リストア、リカバリの経験があること。
SQLに精通していること。
Linuxコマンド言語の実践知識があること。以下、一部抜粋。
- 基本的なOSコマンドの実行
- ディレクトリ構造の作成とナビゲート
- コピー、移動および削除を使用したファイル管理
- Linux環境でのテキスト編集
- 環境変数の設定
以下のOracleモジュールの使用についてのスキル（ただし、全てを網羅しているわけではない）
- RMAN utility
- Oracle Net Manager
- Oracle Net Configuration Assistant
- Oracle Enterprise Manager Database Express
- Listener Utility
- OMS
- Oracle Password Utility
- Database Creation Assistant (DBCA)
- DGMGRL
Oracle Enterprise Manager 12c Cloud Controlに精通していること。
オンラインのOracleドキュメントを使いこなすことができること。
Mozillaブラウザの使用に習熟していること。