■訂正とお詫び
「女性の応募の範疇につながる」という記載がございましたが、正しくは「女性の応募の躊躇につながる」です。訂正してお詫びいたします。(2019/05/21 編集部)
同調査は、イギリス、アメリカ、フランス、ブラジル、オランダ、ドイツ、中国、オーストラリア、インド、スペインの世界10か国のIT業界に加わる高校生および大学生、業界経験の浅いIT業界従事者、業界経験豊富なIT業界従事者、およびIT業界への復帰者6898名を対象に、2018年8月2日~9月6日の期間に実施された。
調査対象者のうち、IT業界に従事する女性の47%が、「就職活動時のジェンダーバイアスが女性のIT業界進出を難しくしている」と答えたほか、IT業界に興味を持つ大学生の62%も同様に回答した。このことから、就職活動時からのハードルの高さが、女性がIT業界を志望することの妨げになっていると予想される。
IT業界に従事する女性に、採用や才能の発掘が現場でどのように行われているかを尋ねた質問では、「企業が仕事内容や機会の全貌を正しく伝えることができず、適材を募集できていないこと」が多いことがわかった。求人広告における求める人材に、「優れている」「リードできる」といった、募集しているのは男性と思わせかねないような言葉を使うことも、女性の応募の躊躇につながる可能性がある。
今回の調査でも、51%の回答者が「IT企業の求人は女性からの応募を想定して書かれていないと思う」と答えており、女性のIT業界従事者および大学生の54%が「IT企業の求人はコーディングやプロダクトデザイン、データ解析やエンジニアリングなど技術職のことを多く言及し、それ以外の職務には脚光を当てていないと感じる」と回答するなど、技術職以外の一般職の募集でもIT企業に応募することをためらう女性が多いことがうかがえる。
IT業界への就職を希望する大学生の女性の72%が、「IT企業に勤めるには、部署(人事部、財務部、法務部、マーケティング部など)や職務内容にかかわらず、技術的なスキルや情報工学科の学位が必要だと思う」と答えており、この傾向はインド(83%)、中国(79%)、ブラジル(74%)でとりわけ顕著だった。
IT業界に入った後のキャリア形成の機会について尋ねたところ、男性は将来のポテンシャルをベースに昇進する傾向にあるのに対して、62%の女性が「自分が昇進するためには、次の役職で必要なスキルをすでに持っていなければいけないと感じる」と答えている。この回答は、インド(75%)、中国(74%)でもっとも多く、業界でキャリアを築く上でのジェンダーバイアスが明らかになっている。