同調査は、2020年3月卒業予定の外国人留学生に対して、2019年6月28日~7月18日に実施。320人(大学院165人、学部155人)から回答を得ている。調査項目は次のとおり。詳細な結果はディスコのWebサイト「外国人留学生の就職活動状況」(PDF)で確認できる。
- 現在の日本語力
- 就職したい企業の種類
- 日本での就職を希望する理由と不安に感じること
- 日本企業のイメージ
- 就職後の出世希望ランク
- 就職したい企業の規模と志望業界
- 就職先企業を選ぶ際に重視する点
- インターンシップ
- 就職活動開始時期
- 就職活動量と内定状況
- 就職活動の難易度
- 企業に評価してもらいたいこと
- 企業研究をする上で必要な情報/もっと発信してほしい情報
- 日本の就職活動でおかしいと思った制度や習慣
- 大学や公的機関で受けたいサービス・支援
「日本企業のイメージ」を尋ねたところ、「社員研修が充実している」「福利厚生が整っている」「技術力が高い」「経営が安定している」など、新卒入社先として安心しやすい要素が評価されている一方、「高い日本語能力が求められる」「年功序列の賃金制度」など、入社後に壁になったりモチベーションを削いだりする恐れのある要素も、外国人留学生の間で強くイメージされているようだ。
「就職したい企業の規模と志望業界」については、文系の外国人留学生の間で「情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト」や「情報・インターネットサービス」が比較的高い人気を獲得したが、理系の外国人留学生の間では「電気・電子」や「自動車・輸送機器」などの後塵を拝している。また、国内の理系学生の間では「情報処理・ソフトウェア・ゲームソフト」や「情報・インターネットサービス」が人気である点とも異なる。そもそも学びに来たこととのギャップもあるだろうが、これらの業界で理系の外国人留学生を採用したい企業は、いっそうのアピールが必要かもしれない。
「就職活動開始時期」は、国内学生の早期化が目立つ一方、外国人留学生は4年生の4月からと乖離が見られる。
また「就職活動の難易度」は、外国人留学生において「とても厳しい」「やや厳しい」が約80%を占めており、その困難さがわかる結果に。わざわざ日本を選び学んでいる外国人留学生は、ある程度日本語が使える、日本文化に理解があるなどの面から見ても、日本国内の企業にとって貴重な人材であろう。就職活動のハードルを下げる工夫を施すだけでも、優位に採用を進められるのではないだろうか。