煩雑な作業に悩む担当者を支援し、効率的な健康管理を実現したい
――Carelyを開発した経緯と、今注目を集めている背景を教えてください。
シンプルに言えば、Carelyは「健康管理のクラウドサービス」であり、人事担当者や産業医など関係者による健康管理業務の効率化を目的として誕生しました。健康管理業務はいまだ多くが紙を中心としたアナログな手段で行われており、煩雑で複雑な作業がほとんどです。それでいて、個人情報を取り扱うという繊細な仕事でもあります。担当者は忙殺され、疲弊してしまうことも多くありました。
一方で、属人的といわれながらも単純作業も多く標準化が可能であること、そして情報共有が重要な鍵になっていることから、デジタルの活用によって大きく効率化が図れると考えました。そうして時間を節約できれば、その分もっと社員と触れ合ったり、施策を練ったり、担当者本来の仕事に注力できると考えたのです。
たとえば、健康診断一つ挙げても、社員が数百数千といる会社となると、社員一人ひとりに都合を聞いて予約し受けさせるのは大変な作業です。かといって、それを個人に任せると受診しない人が多数出てくる。働く人の健康を把握し、就業判断をすることが法律で義務付けられている以上、それでは困ってしまうわけです。そこで、煩雑で複雑な健康管理作業を効率化するCarelyの導入が増えているのだと思います。
――具体的にはどのような仕組みになっているのですか。
まず労働安全衛生法に基づくものになっており、粛々とCarelyを使っていると、自然に法対応できるようになっているというのが最大の特徴です。その上で、ペーパーレス化を進め、分析や情報共有・連携を行いやすくなることで、結果として従業員の健康管理が効率的に行えるようになります。さらに、労働基準監督署への報告もスムーズに行えるようになります。
2つ目の特徴としては、「ハイリスクアプローチ」という概念に基づき、「高リスク者の自動抽出および就業判定」ができることです。つまり、要面談・有所見・所見なしの3段階に自動で振り分け、紙での目視よりも断然早く就業判定を終えられます。そして、効率的にリスクの高い人を見つけ出し、適切なアセスメントなどの対応が行えるようになっています。たとえば、法令で定められている血圧などの5つの項目に加え、システム設定でストレスチェックや過重労働などを要件として入れておくと、それに該当した人が毎月リストアップされるようになっています。アセスメントのスケジュール機能なども搭載されており、効率的な対応が可能になります。
また、「就業判定後の産業医面談の記録管理」として、産業医の面談記録も合わせて残すことも可能です。個人情報保護に配慮し、人事が閲覧しても良い内容と、産業保健スタッフのみが閲覧できる項目に分けて記録するという仕様になっています。面談記録画面から面談履歴やストレスチェックの結果、残業時間、健康診断結果などがすべて閲覧でき、産業医面談前の煩雑な準備が不要になります。
他にも、厚労省準拠の57問に基づいたストレスチェックがオンラインででき、受検勧奨や分析・判定などの機能も搭載しています。また、勤怠管理システムとのCSV連携によって過労リスクを効率的に察知することも可能です。「健康診断の効率化」サービスも提供しており、健康診断の予約から事後措置などを自動化し、受診率を上げるとともに、診断後のスムーズな管理につなげます。
そして、これらのシステムとサービスを組み合わせることで3つのプランを用意し、利用人数に応じた人数課金制のサブスクリプションにて提供しています。