3日間かけて行われるベルフェイスのオンボーディング
岡本勇一氏(以下、岡本) 当社はベンチャー企業の幹部・人材採用に13年ほど携わってきましたが、入社後に組織にしっかりと定着し、活躍していただくために「オンボーディング」の重要性を改めて強く感じています。とりわけ、エンジニア組織における技術系人材については、他の職種とは異なる配慮が必要になるでしょう。ベルフェイスさんでは、エンジニアの方が入社されるとき、オンボーディングをどのように実施されていますか。
山口徹氏(以下、山口) 入社される方は誰でも、組織の文化や制度などを知っていただく必要があります。そのため、エンジニアも他の人と同様に、まずHR部門が提供するオンボーディング用のプログラムを受けることになります。ただエンジニアは、できるだけ早くシステムやプロダクトについて知る必要があるので、エンジニア専用のオンボーディングも行います。そこは基本的には、配属先のエンジニア部門の部門長が担います。
岡本 エンジニアは、全社員向けとエンジニア向けと両方受けることになるんですね。
山口 そうです。全社員向け研修プログラムは現在3日間です。1日中カンヅメになって、文化や組織、プロダクトなどについての説明を受けます。ユニークなところでは、ストレングスファインダーを全社員が受けます。その他、同期入社とともにワークショップをやったり、同期入社用のSlackチャンネルでコミュニケーションをとったりしていますね。最終日には懇親会も行います。
その後は、それぞれ配属先のチームで、エンジニアリングマネージャーが1on1を通じて立ち上がりを確認し、それからエンジニアリングマネージャーと幹部が1on1を行って状況を共有します。さらに3ヵ月後に試用期間が終わる頃に、最終的な立ち上がり状況についての報告があり、本採用となる流れです。
岡本 オンラインでのオンボーディングの効果を上げるために工夫されていることは?
山口 小さなことの積み重ねですよ。例えば、過去にオンボーディングの際によく聞かれることや、最初につまづきやすいことなどを、FAQ的にまとめてテキスト化しておくようにしています。あとは、オンラインではテキストコミュニケーションがメインになるので、やり取りが冷たくならないように表現を工夫したり、Slackで賑やかさを出すために全社スレッドに皆がリアルタイムで反応するようにしたり、いろいろやっていますね。
普段はWebinerモードのところを双方向で質疑応答できるようにしたり、スタンプを押しまくってインタラクティブに行ったり……ベルフェイス専用スタンプは200くらいあります(笑)。そうした人の体温が伝わる演出については、フルリモートであるゆえに、かなり気を遣っています。話したことがない人と話すきっかけづくりとして、バーチャルオフィスを入れてみたこともあります。最近は「Gather.Town」がまさに流行っていると思うのですが、機会があれば導入を検討したいなとも思っています。