DXで活用されるデータや技術が多様化するにともない、ITエンジニアに求められるスキルも幅広くなっている。そのような中で人的資本経営を進めるにあたり、人事ではどのようにITエンジニアのスキルを定義し、育成していけばよいのだろうか。「HRzine Day 2023 Winter」に登壇した株式会社ギブリー HRTech事業部 カスタマーサクセスチームマネージャー 森康真氏は、年間20万人以上が受験する同社の試験データをもとに、新人エンジニアのスキルアセスメントを起点とする効果的な研修方法を披露した。

森 康真(もり やすなお)氏
株式会社ギブリー HRTech事業部 カスタマーサクセスチームマネージャー
北海道大学工学部情報工学科 卒業、同大学院情報科学研究科修士課程 修了。SAPジャパン株式会社にて人事コンサルタント、株式会社野村総合研究所にて、アプリケーションエンジニアを経験。株式会社ワークスアプリケーションズでは採用担当として数々のプロジェクトに関わり、特にエンジニア採用リーダーとして先進的な採用手法を確立する。2019年3月より株式会社ギブリーに参画。これまでのエンジニア/人事/コンサル経験を生かし、カスタマーサクセスチームマネージャーおよび研修講師として業務に当たる。
スキルアセスメントによって得られる3つの効果
「採用した人材のスキルはどのようなレベルなのだろうか?」「実施した研修で、狙い通りのスキルを習得させられたのだろうか?」「そもそもどのようなスキルが必要なのだろうか?」といった悩みを抱えるITエンジニア(以下、単にエンジニア)の採用・育成担当者は多いという。
“スキル”と一口に言っても、その言葉に含まれる意味は多岐にわたる。データやデジタル技術に対する理解、社会や顧客の変化に対する理解、そして新たな価値を生み出すためのマインドセットも必要だ。
このような多岐にわたるスキルを評価・育成していくためにまず必要なのは「自社にとって重要なスキルを定義すること」であり、さらに研修施策によって狙いどおりにそれらのスキルを育成できたのかを「アセスメントする環境を整えること」で、エンジニアの採用・育成担当者が抱える悩みの解消につなげられる――そう説く森氏は、「スキルの定義」と「アセスメントの実施」による効果として次の3点を挙げた。
①研修を通じた到達スキルについて、ステークホルダー間で合意ができる
育成を担当する人事と現場のエンジニアの間で「物差し」を共通化することで、「いつまでに」「どのレベルまで」育成すればよいのかについて合意形成ができ、ゴールに対する認識のズレを防げる。また、新人だけでなく全員のスキルレベルを計測し、年次や役職によって必要な到達レベルを把握することで、今後のキャリア形成支援にも活かせる。
②階層別研修を実施できる
慢性的に人材不足であるエンジニア。多くの企業が未経験者も採用せざるを得ない一方、中にはコンピュータサイエンスやプログラミングを学んできた経験者もいる。このようなスキルレベルに差がある状態で一律の研修を行うと、経験者は退屈し、未経験者はついていけなくなる。
しかし、研修前にスキルアセスメントを行えば、点数によって「未経験者層(下級)」「経験者層(中級)」「TOP層(上級)」に区分し、習熟度に応じたカリキュラムを提供可能になる。研修効果も高められる。
③研修効果を可視化できる
研修の前だけでなく後にもスキルアセスメントを行うことで、その研修によって意図したようにスキルが伸びたのかどうかを可視化できるようになる。同一人物についてスキルの伸びを確認するだけでなく、同じ研修を受けた前年度の研修生など異なる母集団と比較することで、研修効果をより客観的に把握できる。また、業界別や同業他社の受験データとも比較できる。
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野本 纏花(ノモト マドカ)
フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・セルフブランディ...
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