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職場の「ジェンダーハラスメント」の実態、5割が誰にも相談できず―ワークポート調べ

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 ワークポートは、職場の「ジェンダーハラスメント」の実態に関する調査を実施し、その結果を発表した。

 調査の概要は以下のとおり。

  • 調査対象:同社を利用している全国のビジネスパーソン(20~40代・男女)
  • 有効回答数:446人
  • 調査期間:2023年2月14日~2月21日
  • 調査方法:インターネット調査

 調査の結果については、同社は以下のように述べている。

【職場の男女格差】「職場は男女平等ではない」が47.8%、性別による業務分担が根強く残ることが背景か

 対象者全員に現在の勤務先(または直近の勤務先)は、男女平等だと感じるかどうかを聞いたところ、「まったく男女平等だとは思わない」が16.6%、「あまり男女平等だとは思わない」が31.2%という結果となり、47.8%の人が男女平等だと思える職場で働いていないという実態が浮き彫りになった。

職場の男女格差
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 「男女平等だと思わない」理由としては、主に性別による仕事内容の区別や差別があるという意見や、女性は管理職になりにくいという意見が大半を占めた。

 半数弱の企業は性別による役割分業意識が根強く残っており、特に女性であるからこそ与えられる仕事や役割が制限されているため、キャリアアップしにくいという現状があることが分かった。その結果、給与面にも差が出ているというケースもあるようだ。

 一方で、「男性より女性に対して配慮が多いから」(30代・男性・営業)、「女性対象の過剰な待遇が目立つから」(40代・男性・マーケティング)という意見も散見され、極端な女性活躍推進から男女の不平等を感じている人もいることが分かった。

【職場のジェンダーハラスメント】27.6%がジェンダーハラスメントの被害経験あり

 次に、対象者全員に、現在の勤務先(または直近の勤務先)で、ジェンダーハラスメントを受けたことがあるか聞いたところ、27.6%が「被害を受けたことがある」と回答した。前問で勤務先で男女不平等を感じるとした人が半数弱いることが分かったが、その要因が「ジェンダーハラスメント」に該当していると思われるケースは約3割近くあるといえそうだ。

ジェンダーハラスメントを受けたことがあるか
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【ジェンダーハラスメントの加害者】84.6%が「上司」、固定観念から女性らしさ・男性らしさの強要か

 また、ジェンダーハラスメントを受けたと回答した人に「誰から」ハラスメントを受けたか聞いたところ、「上司」と回答した人が84.6%と大多数を占めた。部下に指示や指導をする上で、「ジェンダーハラスメント」と捉えられるような行動や発言をしてしまっている可能性があると考えられる。

「誰から」ハラスメントを受けたか
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 具体的に、どんなジェンダーハラスメントを受けたか聞いたところ、男女不平等を感じる理由にも挙がっていたような性別による役割分業をされているという意見のほか、「女性らしさ」「男性らしさ」を強要されるという意見が多数挙がった。他にも、働き方の差別やキャリアアップや昇進面で不当な扱いを受けたという意見もあった。

【ジェンダーハラスメント被害への対処】48.8%が相談できず泣き寝入り、40.7%が転職を検討

 続いて、ジェンダーハラスメントを受けたことがあると回答した人に被害に遭った際にどうしたかを聞いたところ、48.8%が「誰にも相談せずに我慢した」と回答した。「上司」からジェンダーハラスメントを受けた人が84.6%に上ったことからも、パワーバランスを理由に泣き寝入りせざるを得なかった人も多いことがうかがえる。

 実際に「上司に相談した」と回答した人はわずか6.5%だった。また、「職場の相談窓口(部署)に相談した」は8.1%、「同僚に相談した」は19.5%にとどまり、社内には相談しにくいと感じている人は少なくないようだ。

 また、「誰にも相談せず我慢」に次いで、「転職・退職を考えた(転職・退職した)」と回答した人は40.7%に上り、ジェンダーハラスメントは働き手の長期就業意欲にも影を落とすことも分かった。

被害に遭った際にどうしたか
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【ジェンダーハラスメントの相談窓口】設置率41.9%に対し51.9%が利用しにくい、秘匿性が守られず不安

 ジェンダーハラスメントの被害に遭った際の対処として、「職場の相談窓口(部署)に相談した」は8.1%にとどまったが、実際にはどれぐらいの企業に相談窓口があるのだろうか。対象者全員に、現在の勤務先(または直近の勤務先)には、ジェンダーハラスメントを相談できる窓口があるかを聞いたところ、41.9%が「ある」と回答した。「わからない」と回答した人も22.9%を占め、認知には差があることがうかがえる。

ジェンダーハラスメントの被害に遭った際の対処
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 さらに、「職場に相談窓口がある」と回答した人に相談窓口が社員に周知されているか聞いたところ、「周知されていない」と回答した人は18.7%だった。少数ではあるものの、「まったく周知されていない」と回答した人も3.2%おり、ジェンダーハラスメント被害に遭った際、相談窓口があることを知らずに泣き寝入りした人もいる可能性があると考えられる。

相談窓口が社員に周知されているか
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 最後に、「職場に相談窓口がある」と回答した人に相談窓口は利用しやすいかどうかを聞いたところ、半数を超える51.9%が「利用しにくい」と回答した。中でも、「かなり利用しにくい」と回答した人は18.7%に上り、窓口があっても周知されず、利用も敬遠されている企業があるという実態が浮き彫りになった。

相談窓口は利用しやすいか
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 「利用しにくい」と回答した人に理由を聞いたところ、「利用方法がそもそもよく分からないから」(40代・男性・営業)、「窓口のある場所が分からないから」(40代・男性・企画マーケティング)など、そもそも周知されていないので使うには不安という意見のほかに、「担当者の口が軽く、守秘義務が守られないから」(30代・女性・事務)など通報者が守られないという意見が多数挙がった。

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労務管理から戦略人事、日常業務からキャリアパス、HRテクノロジーまで、人事部や人事に関わる皆様に役立つ記事(ノウハウ、事例など)やニュースを提供しています。

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