パネリスト
杉村 元規(すぎむら もとき)氏
株式会社MIXI 人事本部 人事戦略部/人材採用部 部長
新卒で総合人材サービスに入社し法人営業を担当。2社目に、スタートアップのSI企業に入社し採用、労務、人材開発など人事業務全般に従事。
その後、2018年ミクシィ(現:MIXI)入社。2019 年組織開発グループのマネージャーに就任。2021年人事企画部 (現:人事戦略部)部長に就任し、 2022 年人材採用部部長に就任(兼任)。
岩佐 泰起(いわさ たいき)氏
株式会社LIXIL Human Resources部門 Talent Acquisition Japan リーダー
人材業界で主に製造業やサービス業向けに営業・採用コンサルタントを経験。その後、小売業企業の人事として、採用やトランスフォーメーションプロジェクトのPMOなどを経て人事企画部長として人事制度改革やコロナ対応などに従事。
2022年4月、LIXILに日本の採用責任者として入社。各現場で実施していた採用業務を集約化し、業務改革を推進。
モデレーター
豊田 健一(とよだ けんいち)氏
戦略総務研究所 所長
早稲田大学政治経済学部卒業。株式会社リクルートで経理、営業、総務、株式会社魚力で総務課長を経験。日本で唯一の総務部門向け専門誌『月刊総務』前編集長。
現在は、戦略総務研究所所長、(一社)FOSC代表理事、(一社)ワークDX推進機構の理事、ワークフロー総研フェローとして、講演・執筆活動、コンサルティングを行う。
両社が感じたオンライン採用面接のメリットと難しさ
1つ目のトピックは、オンライン採用面接である。
採用面接のオンライン化に伴い、MIXIでは「採用面接の自由度向上」「採用面接の効率向上」「採用担当の関わり度向上」の3つの変化があったと語る杉村氏。
採用面接の自由度向上の面では、世界中どこからでもコンタクトが可能となったことで、中国籍の学生がオンラインでインターンシップに参加し、その後来日経験のないまま入社の日を迎えたケースがあったという。
採用面接の効率向上の面では、多くの候補者とコンタクトできるようになり、蓄積された情報を分析することで採用面接の質が高まったそうだ。
採用担当の関わり度向上の面では、コロナ禍に入る以前は面接時には候補者をアテンドするだけで、合否には深く関わっていなかった採用担当者も、オンラインになって面接に同席する機会が増え、現場の人といっしょに採用戦略について議論する機会が非常に増えたことを明かした。
一方のLIXILは、採用面接のオンライン化の「見極めの難しさ」や「魅力づけの難しさ」に課題を感じたという。
「オフラインであれば、受付から会議室に案内するまでの立ち居振る舞いなどから判断できることもありましたが、オンラインでは1時間の面接の応対だけで判断しなければなりません。候補者の素の部分まで見るのがなかなか難しいと感じています」(岩佐氏)
これに対し、杉村氏は「たしかに、対面の重要性はあるので、MIXIでは今年から新卒ビジネス職の最終面接はオフラインに切り替えました。ただ、逆にオンラインだからこそ取れる情報もあるとは思っていて。『なぜ今そんな場所にいるのだろう?』と思うような雑音が入る場所で面接を受けている人っていませんか(苦笑)。それに、オンラインなら顔が見えるけれど、オフラインだとマスクをつけているので、表情が読み取れませんよね。オンラインにせよオフラインにせよ、注意深く観察していれば隙は出るのかなと思っています」と所感を述べた。
なお、LIXILでは今年から、新卒の最終面接をオンラインとオフラインで学生が選べるようにしたというが、50〜60%の学生はオンラインを選んだそうである。