後藤 秀臣(ごとう ひでおみ)氏
株式会社カオナビ アカウント本部 本部長
2015年にIT企業へ入社し、広報へ配属。その後、外資系金融機関や大手メーカーに対するソリューション営業に従事する。2019年に株式会社カオナビに入社し、育成体制の整備や営業戦略の立案と実行を担当。2023年4月より営業部門責任者に就任。
人材データを経営陣や人事部門だけでなく現場にも開示し、人材育成に役立てる
現在、人的資本経営の視点から、経営資源の中でも「ヒト」に関する管理と育成が重要視されている。しかし、そこには多くの課題がある。
たとえば、育成に関する情報が紙やExcelなどさまざまな形式で管理されている、個別の育成に対応するための業務工数が足りない、研修そのものが目的化し育成状況の進捗が把握できない、学習の効果を業務に活かされていない、などが挙げられるだろう。
後藤氏はこれらの課題に対して、「人材育成情報を一元化・可視化し、効率的に活用できる環境の整備が急務である」と述べたうえで、「個別最適な人材育成を実現するためには多くの人材データが必要」だと指摘した。
次図をご覧いただきたい。カオナビでは、人材データをWILL、CAN、MUSTの3つに大別して整理している。
「MUST」に分類される異動履歴、役職履歴、等級履歴、年俸/給料情報は、すでに企業が管理している基本情報だ。一方で、最近注目をされているのが「WILL」や「CAN」に関する人材データである。
「このような人材データは経営陣や人事部門だけでなく、テクノロジーを活用して現場にもオープンにし、データに基づき日々の業務を通じた人材育成が行われることが重要です。たとえば、研修の受講履歴を現場のマネージャーが閲覧することで、従業員に新しい業務を割り当てたり、ポジションの抜擢を検討したりする際の参考にできるからです。また、従業員1人ひとりの育成情報を可視化し、進捗状況をモニタリングすることもできます。
個々の人材情報を『点』ではなく『面』として捉えることで、必要なときに、必要な人が、必要な情報にアクセスでき、その結果、組織の潜在能力を最大限に引き出すことができると考えています」(後藤氏)
そこで登場するのがタレントマネジメントシステムである。その1つである「カオナビ」は、人材情報の一元化を実現すると同時に、使いやすい操作性とマネジメントに役立つ専門機能を有しているのが特徴。さらに必要に応じて、eラーニングを配信したり、集めた人材データをもとに配置や抜擢を行ったりと、人事課題をワンストップで解決できるプロダクトになっている。