ビートラストは、20〜50代の会社員400名を対象に、職場で実施される個別面談をテーマに調査を実施し、その結果を発表した。
面談を受ける立場では、半数以上が職場での面談に不満を感じている
その理由を調査したところ、不満を感じる理由として、「面談時間や回数が限られている(そもそも面談機会も設けられていない)」「面談が雑談で終わるなど形骸化している」「相談や要望を伝えても何も変わらない」が主な理由として多く挙げられた。
一方、面談に満足していると答えた理由には、「定期的に面談が行われており、真摯に対応してくれているから」「まずこちらの話を聞こうとしてくれる」「仕事や悩みについてアドバイスを行ってくれる」などが挙がった。職場での個別面談は「面談回数や時間」「部下の話をどれだけ聞く姿勢があるか」「面談内容にアドバイスや回答があるかどうか」が、満足度を左右する観点になると考えられる。
上司は「業務の優先順位やタスクの分配の話題」「キャリアプランに対するフォローアップ」「目標やKPIの進捗状況の確認」を面談で意識している
上司や先輩の立場では、優先順位の認識や業務量の確認をした上で、部下のキャリアプランや全体進捗の確認をしていきたいと考えている人が多かった。また、面談を実施する上司や先輩の立場を経験したことがない人も多いことが分かった。
これは年齢や経験値的に部下を持っていない人に加えて、「職場でそもそも面談機会が設けられていない」という人も一定数いることから、43.0%という数値になったと考えられる。実際に仕事を教えたりチームの取りまとめをしたりしているものの、面接は上の役職者が実施するというケースも多いのではないかと考えられる。
一方、部下は「業務への評価やフィードバック」「目標達成に向けたアドバイス」「ワークライフバランスやストレス管理」についての話題を希望している
部下は、明確なフィードバックや評価、アドバイスを求めていることが分かった。また、キャリアについての相談よりもワークライフバランスやストレス管理など、日々の仕事により密接に関わる話題への関心が高いようだ。上司が業務量や進捗について確認したいと考えている一方、部下は明確なフィードバックやアドバイスを求めている。このギャップが、面談に不満をもつ理由につながっていると考えられる。
面談の改善点として、部下からは「面談の最初に、目的を明確にしておくこと」「目標や期待される成果を明確に伝えてほしい」「業務やコミュニケーションに関する改善点の話し合いが積極的に行われること」が求められている
充実した面談のために、部下から「面談の最初に目的を明確にしておく」ことが最も求められている。Q2によると、面談の最初に目的を明確にしておくよう意識している上司や先輩は7.8%のみと、部下との間に認識のギャップがあることが明らかになった。
上司や先輩は面談で、業務の優先順位やタスクの分配の話題など、本題にすぐに入ってしまう傾向にあるようだが、考課フィードバックの面談なのか、キャリアプランに関する面談なのか、日々の仕事の進捗確認なのか、最初に面談の目的をはっきりさせることが求められている。部下に期待していること、挑戦してほしいことなど「目標や期待される成果も明確に伝える」ことも面談の充実度には欠かせない要素である。
また、世代別で特徴的なデータも明らかになった。「仕事だけでなく、お互いのプライベートについても話題にすること」を希望する20代の割合が14.3%と全世代の割合8.7%と比較し、大きく上回った。これは「定期的なフィードバックや指導が行われること」と同じ割合であり、特徴ある傾向となっている。
この背景としては、近年仕事だけでなくプライベートも重視する人が若手世代を中心に増えていることも関係しているのではないかと同社はみている。仕事と同様、もしくはそれ以上にプライベートを重視している部下にとっては、お互いのプライベートについての興味、関心度合いも高いものになっていると考えられる。
なお、同調査の概要は次のとおり。
- 調査対象:全国の20~50代の会社員400名(各世代100名ずつ)
- 調査期間:2024年3月29日
- 集計方法:オンラインアンケート(選択式+自由記述欄あり、3つまで複数回答可)
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