グローバルでの人材発掘や現地での募集選考など、採用スタイルの多様化が進む
新城氏は求人トレンドの変化を表すトピックスとして、ブロックチェーンサービス関連での採用実績を挙げる。ブロックチェーンエンジニアの求人は急増しているが、まだまだ人材は少ない。あちこちで争奪戦が繰り広げられる中、JELLYFISHでは2018年度だけで海外から8名の採用に成功した。
「いずれも本人から直接の応募をもらって、Skypeで面接して日本に招き、ブロックチェーンエンジニアをお探しの企業に紹介しました。当社では英文サイト『Mixess(ミクセス)』やSNSを展開しているので、日本で働きたいと考える方がそれらを見て連絡してくれるケースも多いですね」(新城氏)。
こうした最先端領域の人材は国内だけでは難しく、グローバル規模での目配りが必要だ。先の採用に成功したブロックチェーンエンジニアも、コロンビアやベラルーシ、香港など世界各地からの応募だった。
「今後、先端領域の人材は、例えば“ブロックチェーンなら北欧エリアで一本釣り”等の探し方が必要になってくるでしょう。すでに当社でも、そうした新しい採用パターンに対応できる態勢固めを進めています」(新城氏)
鵜瀬氏も「通年で求人を実施する企業が増えています。直近では、1社のお客様へ、年間で通算100名を韓国で現地採用して内定をいただきました」と成果を明かす。顧客はITや機械設計の技術者をメーカーに派遣している会社だったが、まとまった人数を日本国内で確保することが難しく、JELLYFISHに「韓国で日本語とITスキルの両方を満たす人材を確保したい」と依頼。毎月平均で15~25名のペースで採用を継続してきた。日本語が必須要件の場合、やはり漢字圏の国の人材が多く、韓国はその代表格だ。
求人企業の担当者みずから海外へ出かけ、現地で採用にあたるケースも増えてきているという。そうした顧客への対応サービスの責任者である鵜瀬氏は、「日本国内にいて採用するのと、現地まで行ってみるのとではやはり大きく違います」と語る。というのも、日本国内にいると「自社が欲しい」人材像ばかりを一方的に描いてしまいがちになるからだ。
「それが、実際にその国の文化や人々に触れることで、『相手があっての採用』という意識が生まれてきます。そうした現地を肌で感じる体験が、求人側の考え方を良い方向に導いていく例を、何度も目の当たりにしてきました」(鵜瀬氏)
しかし、国内での人材採用とは勝手が違うところも当然ある。例えば、自社の説明だ。相手は日本の企業のことなど、ほとんど知らないのがふつう。相当念を入れて行わないといけないそうだ。
「採用する企業の側も不安ですが、応募する側はもっと不安です。『日本のどんな会社なのか?』という疑問にしっかり答えられなければ、わざわざ日本まで来てくれません」(鵜瀬氏)
外国人雇用を検討している企業の担当者は、「一度私たちと一緒に現地に行ってみてほしい。いろいろなヒントを得られるはず」と鵜瀬氏は示唆する。