テレワークが普及する中、見えづらくなった社員の動きに、頭を抱える企業は少なくない。2020年10月21日に開かれたイベント「HRzine Day 2020 Autumn」では、RELATIONS株式会社 Wistant 事業責任者 加留部有哉氏が登壇。「自律的に働く社員を増やす『人事制度』とは? 〜テレワーク時代における1on1、目標管理、評価制度の運用を学ぶ〜」と題し、新しい働き方において求められるマネジメントのあり方について講演を行った。本講ではその模様をお伝えする。
自律した組織への第一歩はマネジメント変革から
2009年に創業し、コスト改善コンサルティング「Less is Plus」、ピープルマネジメントSaaS「Wistant」、現場の事例から学べるWebメディア「SELECK」などの事業を展開するRELATIONS。52名の従業員を擁する同社では、2019年より「ホラクラシー組織」を導入し、自律分散型の組織運営を行っているという。
ホラクラシー組織とは、社内に役職や上下関係が存在しないフラットな組織体制のこと。RELATIONSでは、現在、約300のロール(役割)に権限が分散され、それぞれのロールに対して人をアサインする形で仕事が進められている。マネージャーという個人に対し、権限と責任が固定されているわけではないため、変化に対応しながら一人ひとりが自律的に動けるメリットがある。加えて、今年の1月末からは全社員が完全在宅勤務へ移行し、新たに「コロナ対策ロール」を設置。社員の働き方に関する意思決定を迅速に行っている。
「新型コロナウイルスの感染拡大によって、ルールが整備されないまま、半強制的にテレワークへ移行した企業は多く、『パフォーマンス管理がうまくいかない』『若手や次世代リーダーの育成をどうサポートすべきかわからない』『本当にきちんと仕事をしているのかわからない』といった悩みをよく耳にするようになった」と語る加留部氏。
RELATIONSのようなホラクラシー組織をいきなり導入するのは難しいにせよ、より一層「自律・自走」した働き方のできる社員を増やすことは、Withコロナ時代における喫緊の課題だといえる。
「そこでまず見直すべきは、マネジメントだ」と加留部氏は強調。「変化の激しいVUCAワールドと呼ばれる時代に入り、従来のタスクや進捗を中心に“管理する”『指示・命令型のマネジメント』は限界を迎えている。これから求められるのは、メンバー一人ひとりに向き合って、可能性を引き出しながらパフォーマンスを最大化する『伴走型のマネジメント』です」(加留部氏)
2015年、RELATIONS株式会社に入社し、Webメディア「SELECK(セレック)」の立ち上げに参加。その後、新規事業の開発に携わり、現在は人のパフォーマンスが100%発揮される組織をつくるピープルマネジメントツール「Wistant(ウィスタント)」の事業責任者を務める。組織マネジメントや1on1、リモートワークに関しての研修講師や、登壇実績も多数あり。
経営として自律した組織をいくら目指そうとしても、現場で「指示・命令型のマネジメント」が横行していたら、自律した組織への移行が果たされることはないだろう。人事主導による「組織づくり」と現場のマネジメントを一貫したものにすることが不可欠なのだ。
加留部氏は、そんな自律をサポートするマネジメントのあるべき姿を提示した。
- 数値を押し付けてコミットさせるのではなく、目標の背景や会社とのつながりをきちんと伝える
- 進捗を確認して実行させるのではなく、「今、一番課題に思っていることは何?」といった、適切な“投げかけ”をすることで、目標達成を阻んでいるハードルを一緒に取り除く
- 1対1で30分以上話す機会を月に2〜4回設ける
- 1対1で話すときは指導ではなく、コーチングが中心になるようにする
- 過去に対してのフィードバックではなく、未来に対してのフィードフォワードを行う
- 結果だけを伝えるのではなく、納得感のある評価によって成長につなげる
- 年に数回の評価の時期だけでなく、称賛やフィードフォワードの機会を多く設ける
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野本 纏花(ノモト マドカ)
フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・セルフブランディ...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
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丸毛 透(マルモ トオル)
インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。
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