SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

直近開催のイベントはこちら!

HRzine×SmartHR 人材・組織活性化フォーラム

2024年12月6日(金)13:00~15:30

主要製品スペック一覧

人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

eラーニング・LMS<br>主要製品スペック一覧 2024

eラーニング・LMS
主要製品スペック一覧 2024

その他のスペック一覧

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

人事労務管理システム
主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム<br>主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム
主要製品スペック一覧 2023

人事データ活用のヒント | 第5回

データから見る新人・若手のオンボーディング【実践編】

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

 前回の背景編では、今なぜオンボーディングが注目されているのかを、新人・若手を取り巻く環境から解き明かし、実際に起こりがちな問題やケースを定量・定性面から見てきました。そのうえで、これからの時代に求められるオンボーディングを2つの切り口からお話ししました。今回は実践編として、オンボーディングというテーマ(人事課題)に対し、人事がデータを活用してできることを示します。

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena

コンディションデータの可視化と分析例

 ストレス、モチベーション、メンタリティなど多様な概念とプロダクトがHR Tech市場にすでにあふれており、またタレントマネジメントシステムの一機能としてセットされていることも多いのではないでしょうか。週次・月次など頻度の差はあれど時系列データとして扱い、横軸に日時、縦軸にコンディションの高低を設定した折れ線グラフで、新人若手メンバー個人のコンディションの上下動を可視化することはすでに定番化していると思います。こういった実際のメンバー一人ひとりに焦点を当ててコンディションを可視化するデータ活用は、特に現場の組織長が閲覧し、コミュニケーションやマネジメントに直接活かすことが多いでしょう。

 このようなシンプルな可視化だけでも、今まで表出されてこなかった新人若手の内面の変化やその背景に気づくきっかけになります。一方で、可視化からもう一歩進んだデータ活用をしてみたい、という方向けに一例を挙げてみましょう。

 図表01は、個人のコンディション推移(4月~3月)を、非階層型クラスタリングk-meansにより5パターンに大別したものです。クラスター分析とは、データ全体の中から似たもの同士をグループ分けする手法の1つです。こういった類型化のための分析手法を使うことで、一人ひとりのデータからは見えてこなかった傾向や示唆があぶり出されることがあります。

図表01:コンディション推移の5つのパターン(出所:リクルートマネジメントソリューションズ(2021年)「新入社員オンボーディング再考」から抜粋)
図表01:コンディション推移の5つのパターン(出所:リクルートマネジメントソリューションズ(2021年)「新入社員オンボーディング再考」から抜粋)
[画像クリックで拡大表示]

 たとえば次のような示唆から、人事として特に気をつけたい時期や打ち手のタイミングなどを大局的に検討できるようになります。

  • パターン1のように高コンディションを維持しているタイプ以外は、すべて4月がピークで多かれ少なかれコンディションが低下している
  • パターン4や5のように、4~9月にかけて急激に悪化しているケースが存在する一方で、パターン2や3のように年間を通して緩やかな低下をたどるケースもある
  • パターン3は当初パターン4よりも低いコンディションにもかかわらず、9月を境にコンディションが上昇・維持に転じて持ち直している など

 実際には、事業や職場によって季節的なイベントや繁閑なども異なるでしょうから、各社の状況に応じて最適な切り口をぜひ考えてみてください。

データ活用における注意点

 コンディションデータのような時系列データを見ると、株価予測のように機械学習を用いて将来の上下動を予測できないか、と考える方もいるでしょう。本連載第3回でも紹介したアプローチ別分析手法のうち、予測的分析に該当するものですが、これにはいくつか注意しておくべき観点があります。

 まず、過去の上下動の動きを学習し将来を予測するためには、大量の時系列データセットが必要です。それこそ毎日・毎時間・毎分などの高頻度で取得したデータでないと精度の高い学習は難しいでしょう。しかし、実際にコンディションデータを取得するタイミングは、(各社・各プロダクトによってさまざまですが)頻度高くとも週次や月次で、大半が3ヵ月・半年といったスパンなのではないでしょうか。

 また、予測的分析の最終的な活用として、個人のコンディション低下リスクを予測し、事前に予防施策を打つことが考えられますが、機械学習などによって個人をラベリングする際には、個人情報であるコンディションデータの利用用途(同意取得済みのもの)に沿った内容であるか、また予防のためとはいえ個人にとって不利益なラベリングと受け取られないかを検討のうえ、実施する必要があります。

 機械学習や予測に踏み込む際には、これら2点に注意してデータを活用しましょう。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー


次のページ
「新人若手の立ち上がりに何が起こっているの?」をデータから明らかにする

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
人事データ活用のヒント連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

湯浅 大輔(ユアサ ダイスケ)

株式会社リクルートマネジメントソリューションズ コーポレート統括部 研究本部 部長2009年株式会社リクルートマネジメントソリューションズ入社後、SPIをはじめとした採用領域の営業・コンサルティングに従事。その後、2013年よりアセスメント・サービス開発に携わる。2019年より人事データ解析を専門とした部署...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
  • hatena
HRzine
https://hrzine.jp/article/detail/4662 2023/03/01 08:00

Special Contents

AD

Job Board

AD

おすすめ

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

2024年12月6日(金)13:00~15:30

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング