組織・人材開発支援事業を手掛けるリ・カレントは、2023年版「働くことへの若手意識調査」を発表した。本調査では、例年の設問に加え、「ロールモデルの有無」や「主体的な行動を控えるときの理由」などのパートを追加している。
調査の概要は以下のとおり。
- 調査対象:東京都在住の20代 1300名
- 調査期間: 2023年2月上旬
- 調査方法:選択回答および自由回答式インターネット調査
※実際の東京都の人口構成に合わせるため、ウェイトバック集計を採用
若手が主体的に行動しない理由の1位は「仕事が増えるから」
職場・仕事において「思いついたことを実行しなかった」経験が「ある」とした回答者に理由を聞いたところ、「余計に仕事が増えてしまうから」(38.5%)が最も多く、次いで「自分で実行できる自信がなかったから」(31.0%)となった。「目立ってしまう・周囲から浮いてしまうから」や「上司や先輩に注意されるから」などはそれぞれ1割程度にとどまった。
【Q9】職場・仕事において、思いついたことを実行しなかった経験がある方にお伺いします。実行しなかった理由として、最も近しいものをひとつ選んでください。
「1年目のあるべき姿」像の1位は「ミスなく仕事ができる」
「正社員1年目終了時点(2年目になる時点)で期待されている/されていたこと」について考えを聞いたところ、「ミスなく仕事ができること」(25.3%)が最も多く、次いで「上司・先輩からの指示を受けることなくひとりで仕事が回せること」(22.1%)が続いた。「周囲の手を借りながら仕事を進められる」「質問しながら仕事を進められる」などはそれぞれ2割以下の回答となった。
【Q10】入社一年目終了時点(2年目になる時点)にあなたには、どのようなことが期待されている/されていたと思いますか。
働く理由「報酬(金銭)を得るため」は年次とともに増加
年次ごとに「仕事観(働く目的・譲れないもの・価値観)」の回答結果を見たところ、年次が上がるにつれ「報酬を得るため」とする割合が増加していることが分かった。
ロールモデルの不在、学習機会ともに3年目で大きく減少
年次ごとの集計軸で「過去1年間での、仕事に役立てることを目的とした学習機会」の有無を見てみると、正社員1・2年目と比較して3年目から大きく低減していることが分かった。
さらに、同様の集計軸にて「ロールモデル」の有無を見ると、こちらも正社員3年目で大きく低下し、正社員1年目と比較して半分以下となっていることが分かった。
なお、本レポートの全文・詳細はリ・カレント公式サイト内、特設ページで確認できる。
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