アトラクトにこだわり、面接を徹底的に「型化」

——そうした人材を採用・選考するプロセスにおいて、特に課題となっていた点は何でしょうか。
当社の基本的な選考フローは、書類選考の後、現場のプロジェクトリーダーやマネージャーによる1次面接と、リクルーターによる面談、事業部長やゼネラルマネージャーによる最終面接を経て、内定という流れになっています。その中で、大きく2つの課題がありました。
1つは、内定承諾率です。決して低い水準ではなかったのですが、事業成長の目標から逆算すると、さらに引き上げる必要がありました。承諾における主なネックは、候補者の現職や他社と比較した際の年収、そして「入社後何をやるか分からない」といった、当社の業務支援事業という特性による不安からくるものでした。
営業代行事業では常時約100件のプロジェクトが稼働しており、入社後の初期研修期間中にアサインされるプロジェクトが決まる仕組みのため、入社時点ではフィールドセールスかインサイドセールスかといった職種や、配属されるプロジェクトの業種も不透明なのです。
また、もう1つの課題は、面接官ごとのばらつきがあったことです。特にBtoBセールスの営業代行事業を行う部署は、採用目標数百人の半数を占めており、1次面接だけでも月100件を超えます。面接官も数十人規模になり、面接官ごとの評価のばらつきが拡大していることが問題だと感じていました。
当社では、候補者の懸念を払拭し、入社意向を上げるためのフォローとして、リクルーターによる面談(リクルーター面談)を最終面接の前に行っています。しかし、ここでもキャリブレーション不足によって、1次面接官からリクルーターへの引き継ぎ内容に大きなばらつきがありました。採用人事が1次面接官にヒアリングに行っても、ログが残っていなかったり、面接官の記憶が曖昧だったりと、1次面接の実態がつかめない状況が続いていたのです。
——こうした課題の解決に向け、どのようなアクションをとられたのでしょうか。
内定承諾率を上げるにあたっては、選考の早い段階でのアトラクトが重要になります。選考の後半になってから入社意向を高くする・逆転することは非常に難しいためです。
そのためにまず取り組んだのが、採用面接のやり方を徹底的に「型化」することです。そもそも、セレブリックスの事業におけるコアは「お客様の営業スタイルを型化して再現性を高めること」。これを採用面接にも応用し、「アトラクトとは何か」の定義付けから行いました。
よくある勘違いとして、アトラクトとは候補者の良いところを見つけ、褒めることだと捉えられる場合があります。しかし、私たちが定義する正しいアトラクトは、候補者のWill(意思)や課題を引き出し、セレブリックスの提供価値とひも付けることです。たとえば、「あなたのその課題は、セレブリックスならこう解決できますよ」「あなたの強みは、セレブリックスだとこう評価されますよ」といった具合です。
さらに、面接の最中のアトラクトのチャンスも言語化しました。「この質問にこういう回答が返ってきた場合、こういったアトラクトにつなげられる」といったパターンを具体化したのです。当社には人の成長や可能性に期待する「フィードバック文化」があるので、面接中に候補者にフィードバックをするのもアトラクトの方法の1つとして定義しました。
こうして「型化」した面接を現場の面接官が実践できるように、採用人事が候補者役となってロールプレイングも実施しています。現場のメンバーも、業務においては「型」に基づいた営業ができているので、言語化とロールプレイングによって面接でも実践できるように支援しています。
現在、現場に渡している面接マニュアルはスライド約100枚に及びます。アトラクトの部分だけでも5〜10枚ほど割いており、面接官としてデビューするまでには1ヵ月ほどのトレーニング期間を設けています。
採用は事業成長のエンジンであり、適切な採用ができなければ事業が伸びることはありません。一緒に事業を伸ばすという目的に向かって、現場にも前向きに協力してもらっています。
この記事は参考になりましたか?
- 関連リンク
- インタビュー《人材採用》| リブセンス連載記事一覧
-
- アトラクト不足や質問・判断のずれをつかめ!セレブリックスが面接のブラックボックス化解消で打...
- 候補者体験を高め内定承諾を勝ち取りたいなら積み上げ型面接で「見極め」を減らし「アトラクト」...
- この記事の著者
-
北浦 汐見(キタウラ シオミ)
都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)
1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「...
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
-
岡田 果子(オカダ カコ)
IT系編集者、ライター。趣味・実用書の編集を経てWebメディアへ。その後キャリアインタビューなどのライティング業務を開始。執筆可能ジャンルは、開発手法・組織、プロダクト作り、教育ICT、その他ビジネス。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:株式会社リブセンス
【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

