4つの視点に分解するメリット
オンボーディングがうまくいってない場合でも、その原因は人によって状況は変わります。ここではいくつかのケースを想定して、4つの視点から要因を分解してみましょう。
ケースA
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| Skill | ◯ |
| Process | △ |
| Culture | △ |
| Network | ╳ |
このケースでは、業務に必要な知識や能力は十分に持っているものの、社内の仕事の進め方や文化への適応に苦労している、ということになります。
この場合、業務スキル向上のための研修を追加しても大きな効果は期待できません。それよりもメンターとの接点を増やしたり、周囲との関係構築を支援したりすることが有効となります。
ケースB
| 項目 | 状態 |
|---|---|
| Skill | △ |
| Process | ◯ |
| Culture | ◯ |
| Network | ◯ |
このケースでは、周囲との関係構築や組織への適応は順調にできていますが、業務遂行に必要な知識や能力の習得が追いついていない、ということになります。
この場合は、スキルのキャッチアップやOJTの強化が重要となります。
外部採用と内部異動では課題が異なる
たとえば、キャリア採用者の場合、一般的には、
- Process
- Culture
- Network
で苦戦しやすい傾向があります(採用が一定以上うまくいっている前提)。ただし、リファラル採用(社員紹介)などの場合は、社員とのつながりがあり、社内の様子が伝わりやすいため、CultureやNetworkあたりが適応しやすくなることもあります。
一方で、社内異動者は組織のルールや文化、人間関係はすでに把握していることが多く、新しい役割に適応するためのSkillのキャッチアップが課題になりやすいです。
この違いを理解していないと、すべてのオンボーディング対象者に同じ施策を実施してしまい、本来解決すべき課題を見落としてしまう可能性があります。
このように、オンボーディングを構成要素に分解することで、「立ち上がりが遅い」という結果だけでなく、その背景にあるボトルネックを特定しやすくなります。
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オンボーディングは、単に研修を受講したかどうかや、離職やエンゲージメントといった結果だけで捉えるものではありません。新しい環境で成果を発揮できる状態になるまでの適応プロセスとして捉える必要があります。
今回はそのプロセスを分析できるようにするため、Skill、Process、Culture、Networkという4つの視点に分解しました。「立ち上がりが遅い」という状態であっても、どの要素に課題があるのかによって必要な支援や施策は異なります。
オンボーディングがうまくいっていない場合、その背景にあるボトルネックを特定することが重要です。そのためには、適応プロセスを構成要素ごとに分解して捉えることが有効です。
次回は、オンボーディングをデータで可視化し、継続的にモニタリング・分析する手法について解説します。

