BAKUTANは、同社の人事AIプラットフォーム「BAKUTAN OS」を三菱電機に提供開始したと発表した。グループ各社で管理・運用の形式が異なる人材データをAIエージェントで共通フォーマットに自動統合し、三菱電機が整備する「グローバル人財情報基盤」を下支えする。世界200以上のグループ会社、約15万人の人材データを1つの基盤上で可視化し、人材の配置・採用・リスキリングといった戦略人事の場面でデータを活かす段階への引き上げを目指す。
BAKUTANは東京大学発のAIスタートアップ。BAKUTAN OSは組織内の定量・定性データをつなぐHRデータオントロジーを中核とし、人事オペレーションならびに意思決定のOSとして機能する。新たな人事システム・SaaSの導入や置き換えを行うことなく、基幹ERPやレガシーシステム、タレントマネジメントクラウドなど既存システムのデータをそのまま活用できるという。
グループ経営を行う企業では、各社が固有の人事・評価制度や人事システムのもとで人材情報を管理しているため、共通フォーマットへの統合に相応の工数を要する。加えて、職務経歴書や面談記録といった非構造データは形式が定まらないがゆえに、蓄積されていても活用されにくい状態にある。統合作業の負担と、異なる形式のデータを横断的に扱う技術難度の高さが、戦略人事へのデータ活用のハードルとなっている。
第1段階:グループ各社の人材データ統合をAIエージェントで効率化
この取り組みでは、BAKUTAN OS上で稼働するAIエージェントが人事領域特有の非構造データを解析し、会社ごとにバラバラに保有していた人材データを、高精度な比較・分析が可能なデータに変換し、共通フォーマットに自動統合する仕組みを構築。これにより、データ統合に伴う工数を従来比60%以上削減できる見込みとする。
第2段階:次世代経営層候補人材向けジョブポスティング制度において、応募者とジョブの適合度を分析し、マッチングを高度化
統合された人材情報に加えて、応募情報と求人ポジションのデータをBAKUTAN OS上で新たにつなぎ、スキル・経験から志向性・行動特性までを多面的に捉えて適合度を分析する、応募者とジョブのマッチング支援に取り組む。記録データだけでなく、応募者の人材特性やポテンシャルが表れる定性データをも活用し、人手による確認・選定作業を補完することで、次世代経営層候補人材向けジョブポスティング制度の最適な設計と、1人ひとりに適した活躍機会発見の双方への貢献可能性を検証していく。将来的には、全従業員に対する異動・配置への活用を見据え、従業員のキャリア自立とエンゲージメント向上、そして1人ひとりが最大限の能力を発揮できる組織づくりに寄与する意向。
三菱電機 専務執行役CHROの阿部恵成氏は、BAKUTANが人材情報基盤の統合からデータ活用の局面までを一気通貫で担える技術力を持つと評価し、「AIエージェントによる三菱電機グループの人財データ統合プロセスの大幅な効率化が実現した。今後も異動・配置のマッチング精度向上などAIドリブンな人財マネジメントを確立する」とコメント。
BAKUTAN 代表取締役CEOの小森谷周大氏は「人事データの統合とその活用を両輪で推進できている企業は、国内外をみてもまだ多くない」と述べ、統合工数の削減を出発点に、人事戦略テーマへのデータとAIの活用を深める考えを示した。
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