米オラクルは米国時間2026年10月21日、ガバナンスが組み込まれたエージェント型実行基盤「Oracle Fusion Claw」を搭載した、人事向けの「Fusion Agentic Applications」を発表した。「Oracle Fusion Cloud Human Capital Management(HCM)」で新たに利用可能となる。人員配置計画の調整や、必要な人員と確保できる人員のバランス調整、採用・給与計算業務の迅速化などを、確立されたガバナンスの枠組みのもとでより自律的に実行できるよう支援する。
Oracle Fusion Clawは、ディープリサーチ、計算処理、シミュレーション、モデリング、継続的な計画の見直しといった専門性の高い業務を、推論、演算、状況への適応を行いながら実行できるようにする基盤。組織のポリシーと統制の範囲内で、大規模かつ長時間にわたる業務、再現性のある実行、ガバナンスのもとでの自動化をサポートする。
Fusion Agentic Applicationsは成果主導型のエージェント型アプリケーションで、人が目標、権限、説明責任の所在を定め、その範囲内でアプリケーションが成果の実現に向けてプロセスを調整する仕組み。Oracle Cloud Infrastructure上で稼働し、大規模言語モデル(LLM)を活用する。確立された監督体制と承認プロセスを維持しながら業務を実行する点が特徴だ。主なアプリケーションは以下のとおり。
【ワークフォースプランニングとオペレーション】
- ワークフォースオーケストレーション:人材需要の変化、コスト、業務の継続性のバランスを考慮した人員計画を策定。育成、再配置、採用、外部人材の活用という選択肢を評価し、組織内のレビュー・承認を経た対応策を調整・実行
- ポジションコマンドセンター:ポジション、従業員、採用、コスト、承認に関するデータを連携し、情報の不整合や後続プロセスへの影響リスクを可視化。推奨される是正措置を確認・承認のプロセスに回す
【人材獲得】
- 候補者ソーシング:人材需要を分析し、候補者を対応方針に応じて分類。既存の採用プロセスや承認手続きに沿って、候補者へのアプローチ、採用キャンペーン、フォローアップのコミュニケーションを調整
- 採用コマンドセンター:募集ポジション、候補者、面接、フィードバック、内定、採用ニーズに関するデータを統合し、採用担当者が取るべきアクションや次の段階へ進む準備が整った候補者を明示。採用担当者が検討・承認できるよう次の対応を準備
【ワークフォースの報酬と給与計算】
- ワークフォース報酬:企業が定めた基準、予算、給与ガイドライン、報酬の公平性に関する観点に照らして選択肢を評価し、報酬計画の推奨案を策定。組織のポリシーに沿った計画を担当者による確認・承認に向けて作成
- 給与計算コマンドセンター:従業員データ、取り込みデータ、タイムカード、過去にさかのぼる変更、過去の傾向を確認し、問題点と考えられる原因を明示。推奨する対応策を準備し、給与計算処理の円滑な開始を支援
- 給与計算アクティビティワークスペース:現在の給与、残高、コストを過去の期間と比較して重要な差異を明示。推奨する対応策を準備し、給与計算および財務報告の業務を支援
これらのアプリケーションは、「Oracle AI Agent Studio for Fusion Applications」を中核とするFusion AIエコシステムの一部。「Fusion Agentic Applications Builder」と「AI Studio Skill」のノーコードおよびプロコード機能により、組織はオラクルやパートナー企業が提供するエージェント、その他外部のエージェントを再利用して、エージェント型アプリケーションを作成・管理できる。可観測性、投資対効果(ROI)の測定、安全管理の各機能も組み込まれている。
なお、雇用に関するワークフローでは、雇用に関する意思決定の責任は引き続き組織が負う。組織は自社のポリシーおよび適用される法的要件に沿って、人による適切な監督、承認プロセス、統制を確立できるとしている。
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