理系学生は、文系学生と比較して研究など学業に費やす時間が長い傾向にあり、企業説明会やインターンといった企業主催のイベントへの参加が難しい。とりわけ忙しいのが学会発表の直前であり、理系学生の採用を成功させる第一歩としては、そんな学生が多忙な時期を避けてアプローチすることが重要といえる。
なお、「LabBase」ユーザーは3月と9月の学会参加が多いため、POLでは企業に対して、それ以外の時期の学生へのアプローチをすすめている。
理系学生は、選考参加社数も文系学生と比較して少ない傾向にあり、全就活生の選考参加社数が平均30.7社であるのに対して、「LabBase」ユーザーの約4割は5社以下しか選考に参加しておらず、16社以上の選考に参加した学生は約1割だった。
アプローチの時期としては、「LabBase」ユーザーに送るスカウトメールの返信率をみると、就活解禁前の12月にピークを迎え、それ以降は月を追うごとに返信率が緩やかに落ちていくこと、および4月以降は1学年下の学生の動きも活発になってくることから、採用活動が本格化する3か月前までには学生との初期接点を持つことが重要と考えられる。
なお、理系学生は文系学生と比較して就活をすべきタイミングが明確ではなく、長期休暇の期間も研究を行うなど、まとまった時間を取りにくい。そのため、説明会やインターンといったイベントに加えて、大学周辺でのランチ説明会など、学生のスキマ時間を活用できるカジュアルな接点を多く持つ施策が効果的といえる。
「LabBase」は、2017年2月に提供が開始された、理系学生とのダイレクト・リクルーティングが可能な研究データベース。研究が忙しく、就活に時間を割きにくい理系学生と、理系学生との接点を持ちたい企業の双方の課題を解決し、理系人材の最適配置の実現を目的としている。