全社導入がスムーズにいった理由と導入後のサポート
――FFSを社内に浸透させる流れや、行った施策について教えてください。
まず、こういった診断に興味を持ちそうな課長に話を持ち掛け、とある部署にトライアルでFFSを受けてもらいました。トライアルした部署で社員が興味を持ったのを見てから、改めて課長会でコミュニケーション課題の問題提起をして、FFSの本格導入を進めました。
導入の目的はコミュニケーションの円滑化です。リモートワーク時のコミュニケーション方法に悩んでいたり、新入社員の性格や個性がつかめず困っていたりする共通認識があったため、思いのほか導入はスムーズでしたね。最初は任意で案内していましたが、結果としてほぼ全員がFFS診断を受けてくれました。
――全社で受けた後、診断結果をどのように活用しましたか。
一つは、自己理解のために診断結果の説明文を全社員分書いて1on1を促したこと。もう一つは、FFSを用いて自己理解・他社理解をより深めるためにワークショップを行ったことです。
診断結果を集めた後、ただ数値データを渡して公開するだけでは活用しづらいと思ったので、それぞれの因子タイプや数値結果を見ながら、私が一人ひとりの特徴の説明文を書いてまとめました。説明文の提供に加えて、社内ポータルで1on1の申し込み窓口を設けて、自己理解を深めるフォローも実施しています。
90人近くの説明文を書くのは大変でしたが、診断結果をどう読み取るかフォローをしたり、ワークを通して相互理解の補助をするのは重要だと考えました。結果的に、リモートワークで感じていたコミュニケーションの壁を取り払うことができたと思います。
自己理解・他社理解の促進のために行ったワークショップとは、10名ほどのチームを作ってお互いの診断結果について、思い当たるエピソードを伝えあうものです。「私は●●因子の数値が高いのですが、これにまつわるエピソードはありませんか」という問いかけをして、話を共有することで相互理解を深めました。