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人材マネジメントと人事データ活用 事例ファイル | #2(AD)

リモートワークで起こるコミュニケーション障害を防止し、最適な配属も支える理論とは

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新入社員の配属の検証に有望視

――新入社員の配属時にもFFSを活用したと聞きました。どのように活かしましたか。

 弊社では、新卒に対して入社後1ヵ月間、新入社員研修を実施しています。研修の後、新入社員が部課長の前で「私はこういう人物です」とアピールを行い、その後ドラフト会議にて配属を決める流れとなっていました。ドラフト会議では、新入社員のプレゼン内容や選考課程の結果、本人の希望を踏まえて、主に定性的な情報で配属を決めており、配属後は約1年間のOJTを行っていました。

 しかし、2022年度は新入社員が10名と増え、大阪・東京の2拠点に配属することの難易度が高まりました。リモートワーク環境において「配属部署とマッチするか」「OJTトレーナーと相性がいいか」は、非常に重要な要素となるため、今回から定量的なFFSデータを使ってみようという話に至ったのです。

――FFSを活用した配属を実施してみて、何か変化を感じていますか。

 FFSで配属決定したばかりなので、具体的な成果はまだ分からないものの、データを用いることで配属後の検証がしやすくなったと感じています。また、会議で話す内容も変わりました。

 今までの配属会議は定性的な話が多く、「営業部のソリューション2課と3課、どちらに配属する?」といった問いがあった際も、最後は勘に頼って決定していました。FFSデータを活用すれば、定量的なデータと定性的な情報を組み合わせて決めることができるので、会議の進め方も変化したと思います。

 また、データで配属決定をすることで、1~3ヵ月後に「この配属が合っていたか」と検証ができるようになります。配属の良し悪しに関して人事にアドバイスする際も、データありきで会話できるためフォローがしやすいです。

 もう少し時間が経ったら2022年度の配属について検証を行うとともに、3ヵ月に1度実施している診断や、労働時間データなどとも組み合わせて、配属の良し悪しを検証していきたいと考えています。

――FFSのような人事データを取り入れる際に難しかったことや失敗したことはありますか。

 今回活用したFFSデータは、結果はシンプルですが非常に奥深いものです。FFSデータに限らずですが、社内に最低でも1人は人事データに明るい社員を置かなければならないと感じました。私はFFSに関する資格を取得しましたが、データをしっかり理解し活用できる、最初の1人を作るのが大変だと思います。

 また、他社に聞くと、弊社のようにいきなり全員に診断を受けてもらうのも難しいようです。弊社で全社員がスムーズにFFS診断を受けられたのは、数年前から従業員アンケートでエンゲージメント調査を行っており、人事データを取ることが当たり前の文化があったためです。他にも、社内に性格診断好きな協力的な社員がいたことも大きいと思っています。

 このように、人事データを受け入れる基盤となる文化がなければ、なかなか導入は難しかったのかもしれませんね。

――今後、人事データ活用に対してチャレンジしたいことを教えてください。

 人事データを分析して、施策に落とし込める社員をもう1人増やしたいですね。もしくは私が他の業務を引き継ぎ、人事データに最優先に携われる環境を作ることも並行して検討していきたいです。それだけ、人事データや人に関するテーマは重要だと思っているためです。他の人に任せることも大事ですが、人事の優先順位をさらに高めていきたいと思います。

 また、先ほどもお伝えしたように、FFSデータ単体だけでなく、エンゲージメントサーベイや労働データなどと組み合わせて、より深い検証も実施していきたいと思っています。

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この記事の著者

横内 さつき(ヨコウチ サツキ)

中小企業の採用コンサルタント/人事労務・金融など専門領域の編集者・ライターとして活動する複業フリーランス。パーソルキャリアで求人広告営業、人材系スタートアップにて子育て世代や外国籍向け人材事業を経験。生命保険やカフェ店長、Web制作会社など、異業種の経験も豊富に持つ。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

株式会社SmartHR(スマートエイチアール)

2013年1月23日設立。2015年11月にクラウド人事労務ソフト「SmartHR」を提供開始。雇用契約、年末調整などの人事・労務業務のペーパーレス化や、従業員サーベイや分析レポートなど蓄積された情報を活用する人材マネジメントまで、多様な人事・労務の業務効率化を実現します。「SmartHR」は総務省が提供す...

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