内定承諾率が2倍になった
──noteを活用し始めたことで、採用活動にどのような効果が出ていますか。
当社の課題であった通過率(エントリーから内定までの到達率)や内定承諾率に対して良い効果が出ています。活用前と比べると内定承諾率は2倍、通過率も1.5〜2倍ほどの改善が見られます。また、事前に会社の雰囲気やカルチャーが伝わることで、入社後のギャップを感じる人が減っており、早期離職の抑制にもつながっています。
──noteを始めたきっかけは何でしたか。
もともと、会社としての知名度の低さが課題としてあったことです。直接スカウトやエージェントからの紹介の場合、カジュアル面談や1次面接で会社説明をするのですが、そこで「初めてベーシックの事業を知りました」という方が多かったんですね。せっかく優秀な候補者と出会えてもベーシックの魅力が伝わっていなければ、選考の途中で辞退されてしまいますし、内定を出しても承諾してもらえません。当時、応募自体はいろいろなチャネルからそれなりの数があった一方、内定承諾率は半分以下でした。問題は応募数を増やすのではなく、内定承諾率を上げることだったわけです。そこで、候補者の意向度を上げるためのコンテンツとして「ベーシックのnote」を始めました。
──具体的には、noteをどのように活用しているのでしょう?
一般的にnoteは、「頑張って書いてやっと公開できた。あぁ疲れた」と満足してそのままになりがちですが、私たちは公開したnoteをコンテンツとして積極的に2次利用しています。例えば、カジュアル面談の後、そこで出た質問の答えになるようなnoteや、次の面接を担当するマネージャーが書いたnoteを、候補者にお知らせしています。その上で「分からないことがあれば次の面接で聞いてください」と。
──なるほど。事前にnoteを共有することで面接がよりスムーズになるのですね。
そうです。1時間という限られた時間の中でゼロから聞くことになると、やり取りが浅くなってしまいますから。事前にnoteを共有していれば「どの辺りが気になりますか?」から始められるので、より深い話ができます。
──他にもコンテンツとして活用しているnoteについて教えていただけますか。
コンテンツの軸となるのが「ベーシックの入社エントリ」です。これは新入社員一人ひとりが、ベーシックの何に惹かれて入社をしたのか、これから何に挑戦するのかを自分の言葉で熱く語っているものです。「それって、noteではなくてオウンドメディアから発信してもよいのでは?」という意見もあるかもしれません。もちろん、そのやり方を否定しているわけではありません。しかし、私たちは会社公式の編集部が書いた記事ではなく、新入社員が自分の言葉で想いをnoteに書くからこそ、今まさに入社を考えている人にとって実感が湧き、共感が得られると思っています。もちろん、文章は一定程度整えますが、新入社員が抱えている内面の熱さや想いをnoteを通じて発信していくことを第一に心がけています。