Macbee Planetは、人的資本開示と人事戦略に関する意識調査を実施し、その結果を発表した。
調査の概要と結果は以下のとおり。
- 調査方法:リサーチPR「リサピー」の企画によるインターネット調査
- 調査期間:2022年12月26日〜12月27日
- 有効回答数:上場企業のIR・人事・経営企画担当者110名
8割以上の上場企業が「人的資本開示」に向けての取り組みを実施
「Q1.あなたのお勤め先では、『人的資本開示』に向けての取り組みを実施していますか。」(n=110)と質問したところ、「実施している」が81.9%、「実施していない」が8.2%となった。
実施している取り組み、「重要な人材課題の特定」「経営戦略と人材の連動」「目標実現に向けたKPI設定」など
Q1で「実施している」と回答した人に、「Q2.『人的資本開示』に向けて実施している取り組みを教えてください。(複数回答)」(n=90)と質問したところ、「重要な人材課題の特定」が53.3%、「経営戦略と人材の連動」が46.7%、「目標実現に向けたKPI設定」が46.7%だった。
「人事労務方針の情報整理」や「人材養成の過程の開示」を実施する声も
Q2で「わからない/答えられない」以外を回答した人に、「Q3.Q2で回答した以外に、『人的資本開示』に向けて実施している取り組みがあれば、自由に教えてください。(自由回答)」(n=88)と質問したところ、「人事労務方針の情報整理」や「人材養成の過程の開示」など48の回答を得られた。
一方で、取り組みが実施できていない理由として、約8割が「人材課題の特定ができていない」と回答
Q1で「実施していない」と回答した人に、「Q4.『人的資本開示』に向けての取り組みが実施できていない理由を教えてください。(複数回答)」(n=9)と質問したところ、「人材課題の特定ができていない」が77.8%、「目標達成に向けたKPIや要件の策定が難しい」が22.2%、「人事データの統合が難しいから」が22.2%となった。
人的資本開示でより意識したい項目、約半数が「コンプライアンス、倫理」や「コスト」「ダイバーシティ」と回答
Q1で「実施している」と回答した人に、「Q5.あなたが、人的資本開示を行うにあたって、より意識して公開していきたい項目を教えてください。(複数回答)」(n=90)と質問したところ、「コンプライアンス、倫理(ビジネス規範に対するコンプライアンスの測定指標)」が48.9%、「コスト(人件費や採用コストなど)」が47.8%、「ダイバーシティ(労働力とリーダーシップチームの特徴を示す指標)」が47.8%だった。
人的資本の開示の進め方を検討する上で、約6割が「働き方や個人の価値観への適応」を重視
Q1で「実施している」と回答した人に、「Q6.あなたが、人的資本の開示の進め方を検討する上で、重視していることを教えてください。(複数回答)」(n=90)と質問したところ、「働き方や個人の価値観への適応」が57.8%、「社会情勢の変化への適応」が46.7%、「経営理念や経営戦略との整合」が43.3%、「エンゲージメントの向上」が43.3%となった。
人的資本の開示の進め方に基づき費用をかける取り組みは、「中途向けの採用活動」が55.6%で最多
Q1で「実施している」と回答した人に、「Q7.あなたのお勤め先では、人的資本の開示の進め方に基づいて、どういった取り組みに費用をかけていますか。(複数回答)」(n=90)と質問したところ、「中途向けの採用活動」が55.6%、「新卒向けの採用活動」が48.9%、「エンゲージメント向上施策」が48.9%だった。
82.8%が「人事戦略への変化」を直近1~2年で実感
「Q8.あなたは、直近の1~2年で、お勤め先の人事戦略に変化があったと思いますか。」(n=110)と質問したところ、「非常にそう思う」が28.3%、「ややそう思う」が54.5%となった。
主な変化として、「ジョブ型雇用の実現に対する意識向上」や「デジタル人材(DX人材)に対する意識向上」など
Q8で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、「Q9.直近の1~2年で、人事戦略にどのような変化がありましたか。(複数回答)」(n=91)と質問したところ、「ジョブ型雇用の実現に対する意識向上」が58.2%、「デジタル人材(DX人材)に対する意識向上」が56.0%、「多様化する働き方への対応」が49.5%だった。
90%が「データのマーケティング活用およびDXの重要性は高まる」と想定
「Q10.あなたのお勤め先において、今後データのマーケティング活用、それに伴うビジネスにおけるDXの重要性は高まると思いますか。」(n=110)と質問したところ、「非常にそう思う」が33.6%、「ややそう思う」が56.4%となった。
データのマーケティング活用に関して「成果報酬型での代行サービス」に94%が興味
Q10で「非常にそう思う」「ややそう思う」と回答した人に、「Q11.データのマーケティング活用に関して、成果報酬型での代行サービスがあったら興味がありますか。」(n=99)と質問したところ、「非常に興味がある」が34.4%、「やや興味がある」が59.6%だった。
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