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人的資本経営特集 | HRテクノロジー対談

人的資本経営では働きたくなる物語をデータに基づいて語れ——慶應大学院 岩本氏×SmartHR 佐野氏


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 2023年3月度決算から、上場企業には人的資本に関して有価証券報告書での情報開示が義務付けられるなど、人的資本経営の動きが本格化に向かっている。重要なのはKPIを設定し、データに基づくPDCAを回して活動を進めること。しかし現在のところ、そうしたデータドリブンな人的資本経営はどこまで進んでいるのだろうか。慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授 岩本隆氏と株式会社SmartHR プロダクトマーケティングマネージャー 佐野稔文氏が語り合った。(本記事の内容はすべて取材時点のものです)

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人的資本経営とは「企業は人なり」を本当の意味で実践すること

——日本における人的資本経営の現状をどう捉えていますか。

岩本隆氏(以下、岩本) 「人的資本経営」という漢字にしたことでバズワード化していますが、実はまったく新しい言葉や概念ではありません。人的資本経営、つまり英語ではヒューマンキャピタルマネジメント(Human Capital Management:HCM)ですが、遡れば18世紀にアダム・スミスが土地や機械と同様に固定資本の1つとしてヒューマンキャピタルを挙げています。日本では松下幸之助氏が「企業は人なり」という言葉を残していますよね。ある意味、当たり前の概念なのです。

 松下幸之助氏がどういう意味で「企業は人なり」と言ったかというと、「すべての人間には才能があり、その才能をちゃんと引き出したうえで、活躍させて成長させることによって、企業は成長する」ということなんですね。ですが、ほとんどの企業では、単に「雇用を守る」という意味で「企業は人なり」という言葉を使っていて、「活躍」とか「成長」といったことまでは、あまり考えられていなかったのではないでしょうか。

 それでも仕事が降ってくる時代には、さほど問題はありませんでした。しかし、第4次産業革命といわれるいま、与えられた仕事をやるだけではなく、自らビジネスをつくっていける人材がいなければ、企業は成長できません。そこで人的資本経営がバズワード化したことをきっかけに、「企業は人なり」を本質的に追求していく重要性に気づいたというのが、日本企業の現状だと思います。

岩本 隆氏

岩本 隆(いわもと たかし)氏

慶應義塾大学大学院 政策・メディア研究科 特任教授

 東京大学工学部金属工学科卒業。カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)大学院工学・応用科学研究科材料学・材料工学専攻Ph.D.。日本モトローラ株式会社、日本ルーセント・テクノロジー株式会社、ノキア・ジャパン株式会社、株式会社ドリームインキュベータを経て、2012年6月より2022年3月まで慶應義塾大学大学院経営管理研究科特任教授。2018年9月より2023年3月まで山形大学学術研究院産学連携教授。2022年12月より現職。

佐野稔文氏(以下、佐野) 情報開示の必要性に迫られているという背景もあると思いますが、開示義務化の動きに関してはどう捉えていらっしゃいますか。

岩本 グローバルではその流れも大きくあります。SmartHRさんもそうですが、GAFAM[1]のようなソフトウェア企業の無形資産は財務諸表に載らないことから、投資家から「非財務情報を開示しろ」とプレッシャーがかかった。もう1つ、アメリカでは労働市場から「企業が人権を守っているのか開示しろ」というプレッシャーがかかっています。こうした流れを受け、「非財務情報の中でもとくに重要なのは人材だ」ということで、情報開示のための国際規格の開発が始まり、日本でも2020年から経済産業省で人的資本開示の議論が始まりました。

[1]: アメリカIT大手のGoogle、Apple、Facebook、Amazon、Microsoftのこと。

佐野 現状、日本では上場企業が主な対象というイメージがありますが、労働市場からのプレッシャーの側面から考えると、今後は非上場企業の人的資本開示も進んでいくと思っていてよいでしょうか。

岩本 そうですね。日本の金融機関でも、中小企業向けに、人的資本経営スコアで企業を評価して融資を行うサービスが始まっています。グローバルの流れを受け、日本でも2022年7月にSSBJ(サステナビリティ基準委員会)が設置されており、今後、開示基準はどんどん増えていくことが見込まれます。また、情報開示の議論が最も進んでいるヨーロッパでは、たとえば「男女間の賃金格差を過去4年分、開示しなければならない」といった法律もできていますから、今から準備しておくに越したことはないと思います。

佐野 稔文氏

佐野 稔文(さの としふみ)氏

株式会社SmartHR プロダクトマーケティングマネージャー

京都大学大学院修了後、新卒でITベンチャー企業に入社し、業種・規模問わず幅広い企業に対するWebマーケティングのコンサルティングに従事。2021年に株式会社SmartHRに入社し、人事データベースの構築に関する機能と、蓄積された人事データの活用を実現するタレントマネジメント機能の企画や仕組みづくりを行う。ISO30414 リードコンサルタント/アセッサー認定取得。

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この記事の著者

野本 纏花(ノモト マドカ)

フリーライター。IT系企業のマーケティング担当を経て2010年8月からMarkeZine(翔泳社)にてライター業を開始。2011年1月からWriting&Marketing Company 518Lab(コトバラボ)として独立。共著に『ひとつ上のFacebookマネジメント術~情報収集・人脈づくり・...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)

1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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