マイナビは、全国の企業・個人を対象に実施した、「中途採用・転職活動の定点調査(2024年7〜9月)」の結果を発表した。
2024年9月の企業の中途採用実施率は43.7%
2024年9月時点の、企業の中途採用実施率は43.7%だった。調査を開始した2021年9月からの推移を見ると2023年にかけて緩やかに増加していたが、直近1年間の推移はほぼ横ばいであった。
また、個人の転職活動実施率は3.4%。月次推移を見ると、2023年10月から2024年1月にかけて転職活動実施率が減少したのち、その後は微増しながらも直近3ヵ月は微減傾向で推移している。
年代別に見ると、最も転職活動を実施したのは30代だった。年間平均を見ると2022年、2023年ともに転職活動実施率は20代がトップとなっていたが、直近5ヵ月間は、30代の転職活動実施率がトップとなっており、転職活動を行う年齢層が引き上がっている可能性を示唆しているという。
採用活動にAIを使用する企業を、20代の半数が好意的に捉える
2024年9月に転職活動を行った・または今後3ヵ月以内に転職活動を実施する予定の正社員に対して、企業が採用活動でAIを使うことは応募・入社意欲にどう影響するかを聞いた。最も多い回答は「変わらない」が54.5%、次いで「応募・入社意欲が高まる」が37.0%となり、「応募・入社意欲が下がる」は8.5%と少数派となっている。
「応募・入社意欲が高まる」割合を年代別に見ると、20代の53.8%が最も高く、30代が44.8%、40代が29.9%と続いた。年代が低いほど「企業が採用活動でAIを使うこと」にポジティブであることが分かる。
応募・入社意欲が高まる理由は、「感情でなく公平に評価してくれそう」が55.3%で最も多く、次いで「興味がある」が53.5%と続いた。また20代は、意欲が高まる理由として「新しい施策・技術を導入していることに好感が持てる」が58.1%で最多となった。AIが公平に評価することに期待を寄せており、特に20代では新しい施策・技術を導入している企業の柔軟性に魅力を感じている様子がうかがえる。
中途採用担当の5人に1人は「採用活動でAIツールを活用している」
企業の中途採用担当者に対して、採用活動でAIツールを活用しているか聞いたところ、「既に活用している」は19.6%だった。「活用したいと思っており、検討している」が31.3%、「活用したいと思っているが、検討できていない」が25.9%と、合わせて約8割が採用活動でAIツールを活用することに対して前向きであると分かった。
従業員規模別に見ると、規模が大きいほどAIツールの活用に前向きである。特に従業員規模301名以上では、「既に活用している」が32.0%、「検討している」も40.2%となっており、AIツールの導入が進んでいる様子がうかがえる。
既にAIツールを活用している企業に活用場面を聞いたところ、「適性検査」が51.8%で最も多く、次いで「採用要件・ターゲット設定」が51.2%、「求人票の作成」が48.8%と続いた。
また、活用ツールは「生成AI」が71.1%で最多だった。2022年から急速に普及しており、採用活動の中でもさらなる普及が予想されると同社は述べている。
なお、調査の概要は次のとおり。
- 調査内容:「中途採用・転職活動の定点調査(2024年7~9月)」
- 調査期間:2024年10月1~6日
- 調査機関:Webアンケート調査(調査主体:マイナビ、アンケートモニター提供元:外部調査会社)
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調査対象:
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企業:
- スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の経営者・役員または会社員で、中途採用業務を担当している人
- 本調査対象:上記のうち、前月採用活動を行った人、今後3ヵ月で採用活動を行う予定の人
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個人:
- スクリーニング調査:従業員数3名以上の企業に所属している全国の20~50代の正社員
- 本調査対象:上記のうち、前月転職活動を行った人、今後3ヵ月で転職活動を行う予定の人
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企業:
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有効回答数:
- 企業:スクリーニング調査5442件、本調査849件
- 個人:スクリーニング調査3万2416件、本調査1385件
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