共働きで働く世代が増える中、男性の育休取得率が人的資本開示の重要指標の1つとなるなど、男女かかわらず育休取得の機運が高まっている。一方で、XTalent株式会社が2024年6~8月に行った調査によると、子育てと仕事の両立の難しさや職場の無理解など、育休からの復帰後に仕事面でネガティブな変化を感じた人は7割を超えているという。育休からの復帰後に転職を考える人も多いようだ。本稿では、男女社員の育休取得・復帰に関する現状、そこから見えてくる企業の課題や打つべき対策を、同社 代表取締役CEOの上原達也氏に聞いた。
変わりゆく、育休に対する男性の価値観
——貴社が行った育児休業(以下、育休)取得に関する調査結果についてお伺いします。最初に、「男性育休の実態調査」で分かった傾向・特徴を教えてください。
働く男性の意識は、「自分の人生と向き合っていく」という考え方・価値観に変化していると強く感じました。「家族との時間を大事にしたい」「自分のパートナーに対してサポートすべきである」という意識が、もう当たり前になっています。
たとえば、「職場の男性で、育休取得経験者はいましたか?」という設問では、6割以上が「いた」と答えています。この割合は、今後ますます増えていくでしょう。
一方で、個人の意識はどんどん変わっているものの、企業のサポートや体制はまだ途上であると見ています。育休取得前の会社からの制度説明が「十分でない」という回答が、半数ほどあったのはその現れであるといえます。

また、取得期間に対するギャップも見られました。今回、男性の育休取得期間で最も多かったのは、「2週間~3ヵ月未満」でした。しかし、半数の人たちは、その期間が適切であるとは答えていません。会社側からすると、「3ヵ月も取れたら十分ではないか」と思っていても、当事者からすると「本当はもっと取りたかった」かもしれないのです。そういう個人と企業のすり合わせができない環境であったのではと想像しています。
女性は育休取得後のキャリア停滞に悩んでいる
——では次に、「女性の育休実態調査」で分かった傾向・特徴を教えてください。
女性は、「育休を取得した後にキャリアが停滞した」と感じている方が多いです。加えて、「時短でありながらも業務量や役割が変わらないのに給料は減っている」と、待遇もしくはその後のキャリアに課題を感じている方も非常に多いです。そしてその理由を、男性的な職場文化に起因していると懸念していて、「この会社ではもう働けない」と判断される方は転職を考える。その傾向が顕著に現れていました。
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今回、女性に向けた調査では、役職別に結果を出しました。「キャリアもライフもトレードオフにしたくない」「どちらもしっかりと取り組んでいきたい」と考えてキャリアを積み、リーダーやマネージャーとして評価され、肩書きを持っている女性が、課題に直面していることを知ってもらいたかったからです。結果的には、役職の有無でそれほどの差はありませんでしたが、むしろ差がないこと自体に課題があると感じています。
働き方に関しては、全員がフルリモートを望んでいるわけではないことが分かりました。ハイブリッドの働き方にフレックスタイムを加えることで、より柔軟な働き方ができるようになり、他の人と比べて遜色のないパフォーマンスを発揮できると考えている方が多いです。

もう1点注目したいのは、「今の職場では昇進やキャリアアップが望めない」という理由で転職を考える人が多かったことです。「時短勤務で昇格した例はない」などと言われてしまったという人もたくさんいました。直接言われなくても、周囲を見渡せば明らかなケースもあります。それでは、今の会社で働き続けることを諦めてしまいます。企業にとっては、非常に損失だと思います。
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丸毛 透(マルモ トオル)
インタビュー(人物)、ポートレート、商品撮影、料理写真をWeb雑誌中心に活動。
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袖山 俊夫(ソデヤマ トシオ)
上智大学法学部卒。上場企業に入社し、宣伝部に在籍。その後メディア・コーディネーターとして独立。以来、多くのフリーランススタッフと案件ごとにユニットを編成し、大手新聞社グループ各社が発行する媒体のコンテンツ制作をハンドリングする。現在は、執筆業に専念。経営やHR分野を中心に、企業経営者や人事責任者、大学教授などのイン...
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