生成AI活用の文化をつくる——「HR×AIイノベーション・ラボ」でまずは人事が実践
タレントマネジメントを加速させる3つ目のステップとして、良品計画は生成AIの活用にも取り組んでいる。
「グローバルでの成長に挑戦するためには、AIに任せられる仕事はAIに任せる、そのうえで人は人がやるべき仕事に集中していく。この前提で業務設計そのものを変え、ワークフォースの一部として人とAIの協働による価値創出を目指していく必要があると考えています」(穴沢氏)
生成AIの活用において良品計画が大切にしているのは、主役は現場であるということだ。AIは強力な技術だが、現時点において業務の文脈までは理解できない。そのため、ドメイン知識を持つ現場が主体的に活用する必要がある。そこで、IT部門が基盤とガバナンスを支え、人事部門が文化をつくるという役割分担のもと、まずは人事部内で生成AIを活用するプロジェクト「HR×AIイノベーション・ラボ」を立ち上げた。
このプロジェクトでは、業務改善に意欲的なメンバーが参加し、自らAIエージェントを開発している。開始から数ヵ月の間に、複数のAIエージェントが生まれ、業務削減時間は年間3971時間にものぼる見込みだ。たとえば、研修企画支援AI「サクッとさん」は、これまでベテラン社員が手取り足取り教えていた研修企画のノウハウをAIに学習させ、異動してきたばかりの担当者がAIと対話しながら、良品計画として質の高い研修を企画できるようにしたものである。
現在、同社は人事部での成果をもとに、全社規模での生成AI活用プロジェクトを推進している。
「明日をつかむ人事」になるための3つの問い
最後に穴沢氏は、タレントマネジメントは、システムの導入やデータの収集ではなく、「意思決定と行動が変わった時」に真の価値が生まれると強調。そして、セッションの聴講者に向けて3つの問いを投げかけた。
「みなさまの会社では、人事戦略は人事現場の言葉になっているでしょうか。タレントマネジメントシステムや人材データは意思決定の場で使われているでしょうか。また、HRテクノロジーは行動と変革を加速しているでしょうか。もし1つでも、まだできていないな、進んでいないなと思われたら、今日のお話が何かのヒントになればうれしいです」(穴沢氏)
穴沢氏はHRzine Dayのテーマである『明日をつかむ人事』を引用し、「明日をつかめるかは、みなさまの今日の意思決定と明日からの行動で決まる。私はそう考えています」とまとめ、セッションを締めくくった。

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北浦 汐見(キタウラ シオミ)
都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。
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井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)
1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。
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