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インタビュー《組織づくり》| ナレッジワーカーはAIの進化で本当に消滅する?日本の新卒一括採用はどうなる?

AIネイティブ組織の先輩から、過渡期のHRリーダーたちへアドバイス——Workday最高人材責任者

名須川 楓太[著]

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 人事プラットフォームのグローバル大手Workdayはここ数年、AIエージェントが普及した先にある組織・働き方の未来像を描き、製品の進化や改良を通じて世界中のHRリーダーたちに提唱している。そんなWorkdayの中でも、この1年で大規模な組織変革が行われた。米国ラスベガスにて2026年10月12日~15日(現地時間)に開催された同社の年次フラッグシップイベント「Workday Rising 2026」に筆者が現地参加した際、CPO(Chief People Officer:最高人材責任者)のアシュリー・ゴールドスミス氏にインタビューを行う機会があったため、同社内で実践した施策や、そこから得られた洞察について話を伺ってみた。

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Workday自身も「ワンオーナー制」への大規模な組織変革を敢行

 人事プラットフォームではグローバル最大手の一角とされるWorkdayだが、共同創業者のアニール・ブースリ氏がCEOに復帰すると同時に、同社自身もこの1年で大きな組織変革を行った。まずは、様々な技術・製品ファンクションの中で分散していた責任の所在を、「1つの領域に1人の責任者(ワンオーナー)」を配置する統合型組織へシフト。これにより意思決定も迅速化した。

 「文化と構造、両方の面で多くの変化があった」と明かすChief People Officer(CPO)のアシュリー・ゴールドスミス氏だが、組織のバリューそのものは変わっていないと語る。問題はバリューの実践方法だ。価値観はブレてはいけないが、それを体現するための手段は、時代に合わせて変えていかねばならない。たとえば、今ならAIを前提とした手段や組織・人材の在り方を模索するべきだ。

 同氏は、エージェンティック時代に必要な人材像として、常に「何が可能か」という可能性の領域を考えられる人材、そしてとにかく素早く動ける人材を挙げた。何が重要か、そして何が重要でないかを迅速に判断し、より重要なことにリソースを集中して素早く動ける人が好ましいという。素早く動ける人は、シンプルに試行回数も多いからだ。たくさん試し、失敗し、再び試す——AI時代以前からこういう人材は重宝されてきたかもしれないが、その価値がより高まっていくということだろう。

 組織をデザインするHRリーダーとしては、そうしたイノベーティブな人材がいかに成長・繁栄できる文化を育めるかを考えねばならない。同時に、顧客へ製品やサービスをベストな形で提供しながらも、従業員がいかにやりがいを感じて働ける構造を構築できるかが試される。これが、同氏が前述した「文化と構造」の改革における観点だ。

 そして、その答えが「社内のレイヤーを増やし過ぎない」ことだった。10段階ものヒエラルキーがあったとして、その最下層にいたいと思う人はいない。また、何段階も上司にうかがいを立てて仕事を進めなければならない組織で、柔軟・迅速な意思決定やチャレンジができるわけがない。そこで、Workdayは一部の階層を思い切って取り除き、これまで以上に組織をフラット化することにした。そうすることで、1人ひとりのスピード感が高まったほか、必然的に皆がより多くの責任を自ら担うようになり、より仕事にコミットできるようになったという。

 そして現在、忘れてはいけないのはAIエージェントの存在だ。単にチャットボットのような応答や一時的なタスク実行をするだけでなく、まるで人間のように自律的に仕事を完遂するAIが、人と肩を並べて同僚のように仕事をする世界が到来しつつある。Workdayプラットフォームでも、すでに複数のAIエージェントを提供しており、人事や財務担当者がAIエージェントとともに日常業務をこなす世界観を実現している。

 いかなる時代でも世界中の組織を支えるプラットフォームでなければならないWorkdayとしては、自分たちの顧客に先駆けて、AIエージェントと協働するプラクティスやノウハウを蓄積したい。たとえば、リクルーティング(採用)においては、リクルーティングエージェントが全候補者の職務記述書を確認するため、採用担当者は履歴書を目で確認する必要がなくなった。また、面接官や人事部長、候補者など関係者の日程を調整しなければならない面接のスケジューリングも、AIが自動で行っている。

 このような変化により、採用担当者の生産性は40%向上したとのことだ。加えて、従業員からの社内問い合わせについても、よくある質問はすべてAIが回答することで、人事側の負荷が大幅に軽減した。こうして創出した時間を、より戦略的で高度な業務・取り組みに充てられるようになったとゴールドスミス氏は話す。

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この記事の著者

名須川 楓太(ナスカワ フウタ)

エンタープライズIT専門のメディア EnterpriseZineにて、取材や執筆を中心に活動。主な取材領域はサイバーセキュリティとAI、ハードウェア/ソフトウェアを問わず情報を発信。国内・国外の最新テクノロジーやルールメイキングの動向を追う。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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