三菱UFJ信託銀行は、「2026年3月期有価証券報告書分析(多様性、人的資本に関する情報)」の調査結果を発表した。女性管理職比率や男女間賃金差異は業種によって大きな違いがあることが判明。人的資本に関する開示指標は、製造業、非製造業とも女性・従業員エンゲージメント・育成/獲得・健康・研修が中心だった。
同調査は、有価証券報告書における人的資本などの情報開示義務化を受け、2023年3月期以降毎年実施しているもの。対象はTOPIX100のうち2026年3月31日決算の80社。2026年3月期有価証券報告書のうち、経営方針、サステナビリティに関する考え方および取り組み、人材戦略に関する基本方針など、従業員の状況の記載情報を分析している。
女性管理職比率は非製造業が高い傾向
2026年3月期の女性管理職比率の平均は、製造業8%、非製造業17%。製造業では8割の企業が15%未満に集中する一方、非製造業では広く分布していた。業種別では、製造業のうち医薬品が高く、輸送用機器が低い。非製造業では銀行業、保険業が高く、陸運業(鉄道)、卸売業(商社)、不動産業が低い結果となった。
男女間賃金差異は製造業のほうが差異が小さい
正規雇用労働者の男女間賃金差異は「女性の平均賃金÷男性の平均賃金」で計算する。数値が高いほど差異が小さく、低いほど差異が大きいことを意味する。2026年3月期の平均は製造業74%、非製造業65%で、製造業の方が差異が小さかった。製造業ではほぼ全ての企業が60%以上90%未満に集中する一方、非製造業では広く分布していた。非製造業のうち、陸運業(鉄道)、海運業、情報・通信業、サービス業は差異が小さく、銀行業、保険業は差異が大きい結果となった。
男女間賃金差異について補足説明を行っている企業は約9割。補足説明を行った企業が挙げた「差異が大きい要因」は、「女性管理職少ない、勤続短い」が約9割、「女性に給与の低い職種が多い」が約3割だった。
開示指標は製造業と非製造業で差も
同社は、有価証券報告書に記載された人的資本に関する指標を独自の基準で42指標に分類し、指標ごとの開示割合と開示レベルを分析した。製造業と非製造業で開示割合に16ポイント以上の差がある指標は次のとおり。製造業の方が高い指標は「労働災害発生」。非製造業の方が高い指標は「ポスト/ジョブチャレンジ」「有給休暇取得」「健康」「研修受講」「女性採用」だった。

賃金差異の改善と女性管理職比率の増加に顕著な関係なし
開示が義務付けられた2023年3月期から2026年3月期までの3年間について、男女間賃金差異の増減と女性管理職比率の増減の関係も分析した。その結果、男女間賃金差異の改善幅と女性管理職比率の増加幅に顕著な関係は見られなかった。
なお、調査結果の詳細は、三菱UFJトータルリワードレポート2026年12月号、2027年1月号に掲載予定。
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HRzine編集部(エイチアールジンヘンシュウブ)
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