Warisは、女性役員の紹介サービス「Warisエグゼクティブ」の登録者を対象に女性役員の実態調査を行った。
調査の概要は次のとおり。
- 調査期間:2023年3月7日~3月31日
- 調査対象:女性役員の紹介サービス「Warisエグゼクティブ」登録者
- 調査方法:WEBアンケートフォームによる回答
- 回答数:80件(役員経験者:64人 役員未経験者:16人)
- 調査主体:Waris
役員を担っている理由1位は「仕事内容への興味ややりがい」
まず、「役員を初めて引き受ける際にネックになったこと、不安に感じたこと(複数回答)」を質問したところ、「責任の増加」が45.3%、次いで「能力・経験が不足していると感じた」が28.1%という結果となった。
また、現在役員を担っている理由は「仕事内容に興味ややりがいを感じて」が59.4%と最多、「女性活躍に貢献したい」51.6%、「経験を積みたい」48.4%、「経験やスキルを活かしたい」45.3%と続いた。
「フィードバック・評価が受けにくい」「学びの場が少ない」点で苦労
役員となって苦労や不満に感じている点を聞いたところ、「フィードバック・評価が受けにくい」が37.5%、次いで「役員周辺業務に関する学びの場が少ない」が32.8%という結果であった。
女性役員を増やすには「社内外のネットワーキング」「男女格差是正」など
続いて、女性役員を増やすために効果的だと感じることを質問した。「社内外の女性役員・管理職とのネットワーキングの機会」が50.0%と最多であった。次いで「業務経験の男女格差是正(新規プロジェクトの企画提案、共同プロジェクトのマネジメント、事業戦略全体の策定業務など)」が46.3%、「柔軟な働き方の実現(フレックスタイム・テレワークなど)」が43.8%、「経営層による働きかけ」「役員の類似経験を積むこと」が42.5%と続いた。
「役員として、多様性の観点で企業や社会に貢献できていると感じられていること」に対するコメントは次のとおり。
- 取締役会議において、異なる視点や発想を経営判断に入れることで、取締役会が活性化し、また多様な視点で、経営判断ができるようになること(取締役/50代)
- 旧態依然のコメントなどに再考を促す機会があること。具体的な個人としての実例を提示できること。ロールモデルとして助言できること(役員経験あり/60代)
- 外資系人事での経験を元に後継者育成、次世代社内取締役候補の選定、育成などについて指名委員会で貢献できています(社外取締役/60代)
最後に、「役員を目指す女性へのアドバイス」を聞いた。集まった回答は次のとおり。
- 未経験のキャリアに挑戦する勇気を持つこと、いまの地位処遇仕事内容を後進に譲る決意をすること(取締役/60代)
- 誰でも初めて引き受けるときや新しいミッションとして引き受けるときは不安や能力経験不足ではないかと感じるものだが、一番大事なのは「自分がやるという覚悟とコミット」で能力経験を勝ると感じる(執行役員/50代)
- スキルや知識だけでなくネットワーク作りも非常に重要だと思います。どんな仕事も前向きに楽しむマインドも大切にしています(取締役/50代)
- 自分一人のためだけでなく、後に続く女性たちのためにもがんばってほしい(社外取締役/40代)
- 視座を高くし仕事にあたること、胆力を鍛えること、志を高くもつこと(取締役/60代)
- より意見を言える立場に就いていただきたい、そのためにも学び続け、努力を惜しまず、家庭も家族も大切にしてください(役員経験あり/65歳以上)
【関連記事】
・管理職になりたくない人は72%、女性管理職を増やすには仕事と家庭の両立支援が必要の声―識学調べ
・女性管理職率が35%、男性の育休取得率が4割超と全国平均を大きく上回る―奈良市役所
・約7割の管理職が成果で給与が変わる人事評価制度に賛成―給与アップ研究所調べ