中途採用②:ミスマッチは現場と人事の間でスキルや人物像の認識合わせができていないから
——最後にミスマッチについても伺いたいのですが、アンケートでは「現場と人事で、本当に必要なスキルや人物像の認識合わせができていない」という回答が18.7%出ています。
これは真っ当な認識かなという気がしますけれど、「認識合わせ」という言葉をどう捉えるかが問題です。現場部門というのは、はっきりいって「経験者思考」なんです。「これとこれができて、こんな経験がある人を連れてこい」と言う。それを人事が整理して「はい、分かりました」と言うだけなのを認識合わせだと思っているなら、いくら会話したって意味がないし、採用にはプラスにならないですね。
——人事が現場に踏み込む必要がある、ということですね。
そうです。「その経験がなかった場合、どんなポテンシャルがあればいいですか」「異業種ならどんな人だったらいけそうですか」という提案型の会話をお互いにしなくてはいけない。真の採用基準ができていない段階で面接の見る目だけ鍛えても、間違った基準で完璧にスクリーニングして、通すべき人を落とすだけになりますから。
——データを用いたマッチングについてはどう思われますか。
最近はピープルアナリティクスも進んでいますが、スキルや経験だけでなく「パーソナリティ」のマッチングは本当に大事です。文化や相性はパフォーマンスに直結します。たとえば「素直な人がいい」と偉い人が言っていても、SPIで見ると実は「従順性の低い生意気な人」のほうがハイパフォーマーだったりすることはよくあります。偉い人の感覚が正しいとは限らない。だからこそ、ファクトで基準を裏打ちして、今の基準が本当に合っているのか、他のタイプで自社の仕事ができる人はいないのかを考えるべきです。人事は現場の言いなりになるのではなく、人材編成の可能性を広げる提案者であるべきだと思いますね。
——なるほど。貴重な分析・提言をありがとうございました。
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市古 明典(HRzine編集長)(イチゴ アキノリ)
1972年愛知県生まれ。宝飾品会社の社員、辞書専門編集プロダクションの編集者を経て、2000年に株式会社翔泳社に入社。月刊DBマガジン(休刊)、IT系技術書・資格学習書の編集を担当後、2014年4月より開発者向けWebメディア「CodeZine」の編集に参加。その後、2017年7月にエンジニアの人事をテーマとする「...
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