本連載では、ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会「人的資本経営の導入と実践ワーキンググループ」の開催する「人的資本経営 Executive Deep Dive」のイベントレポートをお届けします。2025年9月21日には2025年度第6回イベントとして、日揮ホールディングス株式会社 専務執行役員CHRO 花田琢也氏が登壇。「生成AI活用とスキルベースマネジメント。求められる人材の多能化」と題してのライブトークを行いました。花田氏は、人事機能のあり方を変える改革「船中八策」の中で取り組まれている部長職の「三権分立」や「パーパスジャーニー」、タスク×スキルベースへの移行、生成AI時代に必要な「バーサタイリスト(多能化人材)」と「資質のいつつぼし」などを紹介。加えて、これらの多彩な取り組みを発想し、かつ社員を巻き込み実行するための3段階の目標設定やWHYを示すことの重要性についても語ってくださいました。なお、モデレーターは筆者(松岡佐知)が務めています。
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日揮グループにおける人事改革の初期微動「船中⼋策」とは
松岡佐知(以下、松岡) 最初に、日揮グループの人に対する思いを教えていただけますか。
花田琢也氏(以下、花田氏) 当社の主たる事業はエンジニアリングであり、グローバルで8000人以上の人材を抱えています。海外売上高が75%、80ヵ国で2万件以上のプロジェクト遂行実績があります。エンジニアリング会社ですから、大きな研究所があるわけでもありませんし、工場があるわけでもありません。エンジニアリング業の主役は、設計・調達・建設業務やプロジェクト管理を行うエンジニアたちです。「人こそ財産」というのが、私が入社したときからのスローガンであり、人材が最も重要な資産であると考えています。
花田 琢也(はなだ たくや)氏
日揮ホールディングス株式会社 専務執行役員CHRO
1982年日揮株式会社(現日揮ホールディングス)に入社。石油・ガス分野の海外プラント建設プロジェクトや事業開発分野に従事。1995年トヨタ自動車に出向し、海外自動車工場建設プロジェクトに参画。2002年にはNTTグループとトライアンフ21を設立しCEOに就任。その後、日揮のアルジェリア現地法人CEO、事業開発本部長、人材組織開発部長を経て、2018年にCDOに就任。2019年に持株会社化に伴い日揮ホールディングス常務執行役員CDOに就任。2021年には日揮グローバル エンジニアリングソリューションズセンタープレジデントを務め、2022年4月日揮ホールディングス専務執行役員CHRO兼CDOを務める。2023年4月から現職。
松岡 花田様は、石油・ガス分野の海外プラントプロジェクトから、社外への越境を経て、海外現地法人CEO、初代CDOなどの要職を担われた後、2022年4月よりCHROに就任されました。人的資本経営の取り組みはどこから始められたのですか。
花田氏 経営戦略を実現するための人事戦略を、私たちの最重要課題と位置付けるところから始めました。まず、組織面での改革に着手し、「HRO会議」を設置しました。CHROだけでグループ全体を包括的に見ることはできませんので、事業会社ごとの経営層にHROをアサインし、重要なアジェンダや、事業会社を越えて情報共有したい内容は、このHRO会議の中でディスカッションしていく建て付けにしました。
そしてHRO会議を通じて、人事部門を「Wantsに対応するリアクティブな部門」から、「NeedsやSeedsを捉えてプロアクティブに策を講じる部門」へと変革することを目指しました。この取り組みから生まれたのが、人事改革の8つの重点プログラム「船中八策」です。
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松岡 佐知(マツオカ サチ)
ピープルアナリティクス&HRテクノロジー協会 上席研究員
野村総合研究所 コンサルティング事業本部 人的資本経営ドメイン シニアプリンシパル京都大学法学部卒業、London School of Economics and Political Science修士課程修了(MSC in Internationa...
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