「人を動かす難しさ」を熟知する電通が“攻めのHR”を支援 グループ5社横断で挑む企業文化変革
「人は簡単には動かない」。人の心を動かす知見を組織変革にも
——採用の相談が、企業文化や従業員の意識変革にまで広がるというお話がありました。電通グループがHR領域に取り組む強みは、どこにあるのでしょうか。
山原 1つは、人事と事業の両方を見ながらご支援できることです。人や組織の問題は、人事の中だけでは解けないことがあります。組織文化を変えるためには事業が成長していなければならないし、逆に良い事業をつくるには、人や組織も変わらなければいけない。お互いに振り子のような関係です。電通では事業変革やマーケティングを通じて事業側の成長にも関わるので、人事と事業を行き来しながら考えられる。そこは1つの強みだと思います。
もう1つは、「人が動く・変わるきっかけ」を考え続けてきたことです。電通は長年マーケティングに携わってきたので、人が意識や行動を変革していくことの大変さをよく理解しています。だからこそ、企業変革においても、社員のみなさんに変化を前向きに受け入れてもらうために何が必要かをていねいに考えています。
人が動く難しさ、変わる難しさを知っている私たちが、それでも変わるように支援していく。そのために、継続的に、粘り強く変革のアクションを続けていく。これが、電通グループがHRをやるユニークネスだと思います。
——「人が変わる難しさ」とのお話がありました。それでも、伝え方によって変化が生まれることはあるのでしょうか。
山原 はい。あるクライアントの人事の方から、新しい人事施策を発表する会を重ねるうちに、社員がだんだん下を向いて会場に入ってくるようになったというご相談をいただいたことがあります。「また何か始まる」「またやることが増える」と受け取られていたそうです。人事は一生懸命、良いことを考えている。でも、受け手にはそう伝わっていない。その間を埋めるのが、私たちの役割です。
もちろん、100人いれば100人全員がすぐに変わるわけではありません。ただ、伝え方や設計を変えることで、一部の方々から熱が伝わり、大きく変わり始めることもあります。だからこそ、ビジョンやメッセージをきちんと設計し、伝えていくことが大事だと思います。
——そうしたメッセージは、社員だけでなく経営層自身を動かすこともあるのでしょうか。
岩邊 ありますね。採用動画をつくったときに、経営者が「うちの会社のことを、ここまでわかって言い当てて描いてくれたのか」と胸を打たれ、経営会議が盛り上がったことがありました。採用のための動画なのに、経営の方自身の心にも届くんですよね。
最近は、企業ブランドを採用に落とし込むだけでなく、逆に採用ブランドとしてつくったものを企業ブランドへ昇華させるケースも出てきています。未来を見据えて採りたい人材を描くことが、その企業の未来を指し示すことにもつながっているのだと思います。
——なるほど。では最後に、今後センターで広がっていきそうなテーマを教えてください。
山原 最近ご相談が増えているのは、AI時代の企業文化です。AIに聞くと答えが似通い、さまざまなものが同質化していく中で、「自分たちならではの企業文化とは何か」「変化の時代に何は変えずに、何を意志として持つのか」を考えたいという企業が増えています。AI時代だからこそ、改めて「自分たちらしい組織と人とは何か」を表現する。その部分では、電通グループのクリエイティビティも活かせると思っています。
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北浦 汐見(キタウラ シオミ)
都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。
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山田 優子(ヤマダ ユウコ)
神奈川出身。新卒で百貨店内の旅行会社に就職。その後、大阪に拠点を移しさまざまな業界・職種を経験してきたが、プロジェクトベースの働き方に魅力を感じて2018年にフリーライターに転向。現在はビジネス系取材記事制作を軸に活動しながら、チームで商品企画・開発にも挑戦中。
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