SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

直近開催のイベントはこちら!

HRzine Day 2026 Summer

2026年7月28日(火)@オンライン

主要製品スペック一覧

人事業務の効率・確度・精度を高めるために欠かせないHRテクノロジー。その主な製品の機能を分野ごとに比較できる資料群です。製品検討の参考資料としてご活用ください。

eラーニング・LMS<br>主要製品スペック一覧 2024

eラーニング・LMS
主要製品スペック一覧 2024

その他のスペック一覧

人事労務管理システム<br>主要製品スペック一覧 2023

人事労務管理システム
主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム<br>主要製品スペック一覧 2023

タレントマネジメントシステム
主要製品スペック一覧 2023

フィードバック経営 「沈黙の組織」から「高め合う組織」へ | 第5回

経営理念の実装は「何のために声を上げるのか」の答えを社員に明示するところから始めよ

三村 真宗[著]

  • Facebook
  • X
  • note
  • hatena

 1on1やサーベイをはじめとしたエンゲージメント施策を動かしても、社員の声が聞こえず、組織に変化は起きない。そんな手詰まりの奥には、たいてい1つの問いが放置されています。「何のために声を上げるのか」。この答えが組織内に明示されていないのです。本連載の第1回から第4回(前回)まで、沈黙の組織の構造とそれを越えるための「フィードバック経営」の概要、フィードバック経営を支える「3本柱」のうちの「フィードバック文化の醸成」「VoE(Voice of Employee)サイクルの確立」について解説してきました。最終回で取り上げるのは、残りの1つの柱「経営理念の実装」です。何のために声を上げるのか。この問いに全社で答えがそろっていなければ、どれだけ対話の仕組みを整えても、組織は同じ場所を回り続けます。連載の締めくくりとして、経営理念を「絵に描いた餅」で終わらせない実装の手順と、組織変革に向けてどのような1歩目を明日から踏み出せばよいのかをお伝えします。

  • Facebook
  • X
  • note
  • hatena

理念を掲げただけでは、現場に届かない

 経営理念のない会社は、ほとんどないでしょう。問題はあるかないかではなく、経営理念が組織の中で生きているかどうかです。実際、私たちが国内企業の正社員2060名を対象に実施した独自調査では、「自社の経営理念は、実態を伴わない〈スローガン〉になっていると感じる」という問いに、52%の社員が同意しています。また、経営方針と現場にズレを感じると回答した社員は62%にのぼりました。理念を掲げてはいても、現場には浸透せず形骸化している。それが多くの組織の実態です。

 私は、経営理念の形骸化は3つの段階で進んでいくと考えています。

 第1段階は「知らない」。壁に貼ってあっても、社員が中身を覚えていない。

 第2段階は「つなげられない」。言葉は知っているが、自分の仕事とどうつながるのかが分からない。

 第3段階は「実行されていない」。意識はしているが、日々の判断には使われていない。

 段階が進むほど、理念は現場の判断から遠ざかっていきます。

 理念が現場に届かないとき、社員の側では何が起きているのか。判断に迷ったとき、立ち返る基準がない。だから「正しいかどうか」ではなく「怒られないかどうか」で動くようになる。

 ここで、本連載第2回を思い出してください。社員が口を閉ざす3つの壁のうち、最初に挙げたのが「迷いの壁」でした。「何を言えばよいのか分からない」という迷いです。

 迷いの壁を崩すのが「経営理念の実装」です。何を大切にしている会社なのかが共有されていれば、社員は「これは言ってよいことだ」と判断できます。逆に、その基準がなければ、「会社をよくするために意見を出してほしい」と促しても、何が「よい」とされるのかが分からないまま、社員は黙るしかありません。

経営理念が、決断の拠りどころになった瞬間

 私が経営に携わっていたコンカー日本法人には、5つのバリューがありました。

  1. Happy-Happy(お客様を笑顔にしよう。それが私たちの幸せ)
  2. Enjoy the Challenge(変化を創り出そう。挑戦を楽しもう。そして未来を創り出そう)
  3. 期待を裏切ろう(質とスピードで期待を上回ろう。想像をはるかに超えて)
  4. 自分ごと(ひとごとはない。目指す先は一緒だから、すべてが自分ごと)
  5. Drive Everything(高い視座を持ち、自ら率先して物事を動かそう)

 言葉を掲げるだけなら、どの会社でもできます。バリューが力を持つのは、社員が判断に迷ったとき、その言葉に照らして決められるようになったときです。

 あるとき、1人の社員に難しい仕事を打診しました。本人は一度、「自分には無理です」と断りました。ところが後日、その社員のほうからミーティングを申し入れてきたのです。理由を聞くと、こう切り出しました。「Enjoy the Challengeに照らして考えたら、これは挑戦すべき仕事でした。やらせてください」。最初に断ったときとは別人のような、生き生きとした表情でした。

 上司に言われたからでも、評価を気にしたからでもありません。自分の中にある判断基準に照らし合わせて、自分で決めた。バリューが決断の拠りどころになると、こういうことが起こります。経営理念は、掲げるものではなく、日々の判断で使われて初めて生きるのです。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
  • hatena
フィードバック経営 「沈黙の組織」から「高め合う組織」へ連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

三村 真宗(ミムラ マサムネ)

株式会社U-ZERO 代表取締役 CEO 兼 CPO

慶應義塾大学卒業後、創業メンバーとしてSAPジャパン株式会社に入社。マッキンゼー・アンド・カンパニー、ベタープレイス・ジャパン株式会社などを経て、2011年に株式会社コンカーに参画。代表取締役社長として、社員一人ひとりの声を経営に活かす組織づくりを徹...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事をシェア

  • Facebook
  • X
  • note
  • hatena

Special Contents

AD

Job Board

AD

アクセスランキング

アクセスランキング

イベント

HRzine Day(エイチアールジン・デイ)は、人が活き会社が成長する人事のWebマガジン「HRzine」が主催するイベントです。毎回、人事の重要課題を1つテーマに設定し、識者やエキスパードが持つ知見・経験を、参加者のみなさんと共有しています。

2026年7月28日(火)@オンライン

イベントカレンダーを見る

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング