カスタマイズ性の高いタレントマネジメント機能
——SmartHRは最近、タレントマネジメント機能を強化されていますね。
はい。人的資本開示にご活用いただけるタレントマネジメント機能には大きく3つありまして、1つ目は従業員サーベイ、2つ目は分析レポート、3つ目はスキル管理です。
従業員サーベイは、エンゲージメントサーベイをはじめ、「組織改善」「キャリア・研修」「就労環境」など、目的に応じてご利用いただけるさまざまなプリセットサーベイを用意しているほか、自由に質問文や回答形式を選択してオリジナルサーベイを作成していただくことも可能です。SmartHRは従業員の方々が定期的にログインして利用するシステムなので、「給与明細を見たついでに、人事から届いたアンケートに回答する」といった使い方ができるんですね。そのため、アンケートに回答するためだけにかかる、ID・パスワードを使ってログインする手間が省け、サーベイ専用のシステムを使うよりも回答率が高いという特長があります。
分析レポートは、「働き方改革推進状況レポート」「行政報告レポート」「離職分析レポート」など、さまざまなプリセットレポートを用意しているほか、独自のカスタム項目を設定することもできますので、SmartHR内のデータを使って、人的資本に関する情報開示に必要な情報を分かりやすく可視化できます。また、SmartHRに入っている従業員の属性データと掛け合わせて分析することもできるので、他のシステムからデータを引っ張って加工するといった手間もありません。
スキル管理は、従業員が保有している資格や、これまでの研修履歴などを管理して、スキルマップのような形で見やすく可視化できる機能です。ある資格の保有割合をKPIに定め、「2030年までにこの資格の保有割合をここまで引き上げる」といった目標を設定して情報開示されている企業もあると聞いていますし、社内の育成計画にもお役立ていただけると考えています。
——なるほど。人的資本に関する情報開示では、企業ごとに異なる指標や目標を設定して、自社のストーリーで語らなければなりませんから、いずれの機能もカスタマイズが容易にできる点は魅力ですね。
はい。特定の切り口だけで分析していては、どうしてもミスリードが生じがちなので、簡単に分析項目をカスタマイズできることは重要だと考えています。たとえば男女の賃金格差を見るときに、「性別だけで区切ると賃金格差は大きいけれど、そこに役職のデータも掛け合わせて役職別に比較してみると、実は男女間の賃金格差はほとんどなくて、そもそも女性管理職の数が少ないのが問題だった」ということがありますよね。このようなデータを見たい場合、SmartHRであれば最初に出した男女別の給与レポートに、ドラッグ&ドロップで役職の項目を追加すれば、すぐにレポートに組み込むことができます。データの背景にある要因分析を手軽に実行できるのは、SmartHRの大きな強みです。
——では最後に、SmartHRの今後の展望をお聞かせください。
SmartHRのミッションは、労働にまつわる社会課題をなくし、誰もがその人らしく働ける社会をつくる「well-working」です。働くことは、人生の多くの時間を使い、自分や他者に大きな影響を与える、生きていくうえでとても大切なものです。だからこそ、誰もが心地よく、健康に、そして幸せに働ける社会を目指したいという想いで、サービスを展開していきたいと考えています。
また、現在「SmartHR Plus β版」として、外部パートナーによって開発されたSmartHRと連携するアプリケーションを紹介するアプリストアサービスの提供も始めています。SmartHRを中心にエコシステムを広げながら、お客様のニーズに寄り添ったきめ細やかなサービスを提供していけたらと考えています。