「部下を変えるのは言葉ではない」——では管理職がマネジメントすべきものとは?小林氏が語る“間と温度”
人事は閉じたネットワークを壊し、仲人になれ
丹下 本連載のテーマが「本当の管理職支援の姿」なのですが、今回教えていただいた間のマネジメントや温度のマネジメントを支援するときに、人事や会社がすべきこと、持つべき力とは何なのでしょうか。
小林 “仲人力”でしょうか。もっというと、仲人の多層化のようなイメージです。
たとえば、「この人とこの人、実は韓流ドラマが好きらしいよ」といえるのは会社側だけです。本来、人事はそういう仕事です。会社の中で、経歴には現れない質的な情報、いわゆる「粘着情報」が集まるのが人事ですから。
「あの人はAIに興味がある」といった粘着情報を吸い上げて、関心が同じ人を紹介し、「なんか面白そうだから飲みなよ」と声をかける。なんなら、自分も含めて場を1回セッティングしてあげる。
これは、事業部からはやる意味がないことなので、人事の役目です。基本的に事業部は最適化を目指すため、ネットワークが閉じていきます。人事は、そうして固定化したネットワークを“壊す役”として自らを定義すべきです。研修や説明会、1on1、ランダムランチなど、部門横断のコミュニケーション施策を打てるのは人事しかいません。
当社はランダムの1on1をずっと続けていますが、非常に評判がよいです。完全なランダムではなく、「実は上司が同じだった」といった情報をヒントにマッチングし、共通点を伝えておくと関係性は劇的に伸びます。
丹下 前職でランダムのランチ会があったんですが、最初はめんどくさいんですよね(笑)。でも、行ってみたらなんだかんだで楽しかったり、普段の自分のコミュニケーションとは合わなくても、だからこそ仕事でレバレッジが効いてその人と長く続いたプロジェクトが生まれたりしました。あとから役に立ってくることは実感しています。
小林 そうなんですよ。ようやくいっしょに仕事をしたとき、1回ランチしましたよねって、なれるかなれないかでぜんぜん違いますから。
丹下 心をコントロールしようという考えを手放し、ネットワークをドライかつお節介に設計する。連載1回目にして、人事に求められる「本当の管理職支援」の大きなヒントをいただきました。ありがとうございました。

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北浦 汐見(キタウラ シオミ)
都内のスタジオに勤務後独立。ポートレート、取材、料理撮影等、都内を中心に活動中。
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井上奈美香(HRzine編集部)(イノウエ ナミカ)
1994年宮崎県生まれ。京都女子大学文学部国文学科を2017年に卒業し、株式会社翔泳社に新卒として入社。メディア事業部の広告課に配属される。2020年8月に人事向けWebメディア「HRzine」の立ち上げに参画し、HRzineの営業責任者に従事。2023年4月よりHRzine編集部に所属。
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