心が人的資本経営の要
——すでに6000社が利用されているということですが、近年ではどのような会社がストレスチェッカーを導入しているのでしょうか。かつてと変化はありますか。
かつては、人的資本経営という言葉が出てくる前から人材活用に積極的な企業様と、離職が多くて強い危機感をお持ちの企業様という、両極端な企業様に多く利用していただいていました。今は「人的資本経営」のためにお問い合わせいただくことが多いですね。さらに最近は、オプションサービスである「集団分析のコンサルタントレポート」などの依頼も増えており、人的資本への関心が高まっていることを実感しています。
たとえば、飲食店を経営する企業様の利用が増えています。以前は非正規雇用も多く、短期間の雇用が多かったと思うのですが、できるだけ長く意欲的に働いてもらうことを考えてストレスチェックを受けたいのだそうです。ある企業様では、仕事内容や待遇などは変わらなくてもストレスチェックの結果が良い店舗と悪い店舗を明らかにし、その原因究明と対策を実施したところ、働く人の意欲がかなり改善されたと聞きました。逆にそうした企業様からは知見を共有いただき、私たちも大変勉強になっています。
ただ、多くの企業様は「新しい発見」があったというよりも、「なんとなくそうだろうな」と思っていたことが可視化されたと言われます。でも、現場ではそう思っていても経営は気づいていなかった、人事は感じていても現場の個人は自覚がなかったというということもあり、やはり「可視化と共有」は組織経営において必須なのだなと、改めて感じています。また、「頑張って改善施策をしているけれども、効果があったのか分からない」という企業様から、経年でストレスチェックを受け続けたことで変化を感じ取れた、という声もありました。
——人的資本経営にはPDCAが必要であり、そのためにもまずは現状を把握し、一定期間での変化の確認が必要ということですね。
はい、個人的には技や体以上に、心が人的資本経営の要だと思っています。ぜひとも、「ストレスチェッカー」の有用性を認識いただき、人的資本経営に役立てていただければと思います。
——本日はありがとうございました。